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【少年野球指導者のひとり言】選手の「鏡」になる

2016.3.18
私がキャリアカウンセラーの勉強をしていた頃、先生によく言われていたのは、「質問しないで相手を理解する」ということでした。相手を理解しようとすると質問をしたくなるのですが、質問責めにしてしまうと相手にプレッシャーを与え、逆に心を閉ざしてしまうからです。

「自分の言葉で自分のことを話しているうちに自分のことに気付く」まさに鏡になるような心境でした。

野球のコーチをしている時も同じ様なことを思います。
基礎技術など教えないと身につかないモノもありますが、出来るだけ課題や改善点を自分自身が見つけ、自発的に努力する状態を形成するために、自らの課題に気づきやすくするためにはどうしたらよいか、そんなことをいつも考えています。

例えば、私はよく打撃投手をしますが、外角が苦手な打者には5球打たせるときに最初と最後は得意な内角、真ん中の3球は苦手な外角へといった具合です。この配球の比率は、選手の感性や性格によって変えます。得意なことと苦手なことを同時にやらせることで「自分には得意不得意がある」と気づかせ、「外角を打てるようになりたい」と思うまで教えることを待つようにしています。

望まないモノを押し付けても身につきません。本人が渇望するまで待つ。
『急がば回れ』だと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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