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突き指や靭帯損傷…野球選手を悩ます指のケガの対処法

2016.3.22
  突き指への正しい対処方法を知ろう

 

 野球選手に多い指のケガ。効果的な処置が重要である

 ボールを使った練習をしていると、イレギュラーバウンドでボールが直接指に当たってしまい、いわゆる「突き指」をしてしまうことがあります。野球を長くプレーしている選手であれば少なからず経験したことがあるのではないでしょうか。何かのモノに当たり、指を突いてしまうことを総じて「突き指」と呼んでいますが、実際には突いたことによって関節がひねられたり、過度に伸ばされて靱帯や腱を痛めたり、時には骨折や脱臼を伴うケースもみられます。突き指をするとその多くは腫れや熱感、痛みなどの炎症症状を引き起こします。

 炎症症状が見られる場合、まずその場で行う応急処置としてはRICE処置があげられます。患部を動かないように固定し、軽く圧迫・挙上状態を保持して冷却します。冷却時間は程度にもよりますが10分~15分ほど行って一度様子をみるようにし、冷やしても痛みが軽減しない場合や明らかな変形が見られる場合はすみやかに医療機関を受診するようにします。「突き指をしたら引っ張ってなおす」と言われたことがあるかもしれませんが、これは脱臼をともなう突き指に限られるものであり、正確な診断なしに行うことはさらにケガを悪化させてしまうおそれがあるため、その場で引っ張ることは絶対に避けましょう。また「たかが突き指だから」と多少の変形があってもそのまま放置してしまうと、関節の動きが悪くなったり機能障害が残ってしまうことがありますので、軽く考えず、回復が遅い場合は早めに専門家の診察を受けるようにしましょう。突き指によってみられる代表的なものを紹介します。

●爪下血腫(そうかけっしゅ)
突き指だけではなく指をはさんだときなどに爪の下で内出血が起こり痛みを伴うものを爪下血腫といいます。爪の損傷だけではなく骨折を伴っている場合もあるため注意が必要です。

●マレットフィンガー(槌指)
突き指によって指の先端・第一関節が曲がったままの状態になっているもの。打楽器を演奏する際に使われる槌(つち:いわゆる「ばち」のこと)に似ているためこう呼ばれています。2つのタイプがあり、指を伸ばす伸筋腱が切れたものを腱性マレットフィンガー、伸筋腱についている骨が骨折している状態を骨性マレットフィンガーといいます。

●側副靭帯損傷
関節の側面を支持している靱帯が損傷した状態で、突き指の代表的なものとしてあげられます。正常な関節可動域が得られなくなったり、異常な方向へ関節が動いてしまうことが懸念されます。



  



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