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【選抜優勝投手の系譜】済美高校・福井優也投手  〜前編〜

2016.2.25
◆故・上甲正典氏率いる創部2年目のチームが躍進

 福井優也投手は済美(愛媛)のエースとして第76回選抜高等学校野球大会に出場した。宇和島東(愛媛)で幾度も甲子園の地で名采配をふるった故・上甲正典監督を慕い、岡山から愛媛に越境。1年時から頭角を現し、1年秋にはチームのエースへと成長していた。

 創部2年目のチームは校訓にもある「やればできる」を合言葉に躍進。フレッシュさを武器に前年の四国大会を制し、早々と選抜出場を決めていた。

 元・阪神タイガース所属の高橋勇丞が三番主将としてチームを牽引。現・ヤクルトスワローズ所属の鵜久森淳志選手が高校生離れしたパワーでどっしりと四番に座る打線は前評判も高く、選抜ではダークホース的な存在として周囲から見られていた。


◆福井投手の粘りと打線の爆発力で甲子園を勝ち進む

 大事な甲子園初戦である土浦湖北(茨城)では鵜久森選手の一発も飛び出し、9-1の大勝。福井投手は完投で甲子園デビューを飾る。

 2回戦の東邦(愛知)戦は、現・中日ドラゴンズ所属の岩田慎司投手と、福井投手の壮絶な投げ合いが展開される。打線がもぎ取った虎の子の1点を、福井投手の粘りのピッチングで守りきり1-0の完封勝利。

 準々決勝は現・テキサスレンジャーズ所属のダルビッシュ有投手を擁する東北(宮城)戦。前年の明治神宮大会では済美が7回コールド勝ちを収めていたものの、甲子園では序盤に失点を重ねる苦しい展開。9回まで2-6の4点のリードを許してしまう。しかし、ここから選抜の歴史に残る逆転劇が幕を開ける。


後編へつづく


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