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【誉】イヒネ・イツア「誉だったからこそ成長できた」

2022.7.11

底なしのスケール感がある走攻守

高校通算16本塁打、50メートル走6秒2と驚くような数字はないものの、イヒネの現状をどうこう論じることにあまり意味はない。数年後、心技体と成熟したイヒネがまるで別人のように超人的なプレーを見せていても驚かない。イヒネの走攻守には、そんな底なしのスケール感がある。

「自分自身への期待感は持っていますか?」と聞くと、イヒネは「あります、あります」と即答して、こう続けた。

「まだまだ全然、実力が足りてないので。打撃も守備も、よく見るMLBの選手と比べて足りないところが多すぎて。だから早く『完成している』と言われるような、一流の選手になりたいんです」

誉で実施している遺伝子検査によると、イヒネの肉体は速筋優位で瞬発力が高く、持久力が低いという。また、筋肉や腱の強さがあり、柔軟性も高い。矢幡監督は「精神的な幼さもありますが、4〜5年後にプロのレギュラークラスになっている期待感があります」と語る。

気がつけば、イヒネは今や中学時代のスターだった内藤と肩を並べ、有力なドラフト候補として名を連ねている。

もしプロに行けたら、どんな存在になりたいか。そう尋ねると、イヒネは目を輝かせてこう答えた。

「プロで活躍して、大谷翔平選手(エンゼルス)のように誰もが名前をわかるような選手になりたいんです」

誰もが「イヒネ・イツア」の名前を知る未来。それは決して、夢物語ではない。
(取材・文:菊地高弘/写真:編集部)

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