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【誉】イヒネ・イツア「誉だったからこそ成長できた」

2022.7.11

フィジカル強化と比例してパフォーマンスが飛躍的に向上



中学では潜在能力を発揮できなかったが、本人も高校入学当初から「育成(選手)でもいいからプロに行きたい」と高い志を口にしていた。入学当初は中堅手、続いて投手で起用されている。投手としては140キロの球速をマークしたが、フィールディングなど細かな技術に難があった。再び外野に回っていた高校2年の6月、イヒネにとって転機が訪れる。矢幡監督は言う。

「ショートのレギュラーがケガをして、イヒネに『やってみろ』と守らせてみたんです。付け焼刃だった昨夏は素人でしたけど、だんだんショートらしくなってきてハマった感じがあります。プロで専門的な指導を受けたら、エチェバリア(ロッテ)みたいになるかもしれません」

もともと打撃フォームも送球動作もクセはなく、誉のチーム全体で取り組むフィジカル強化と比例してパフォーマンスが飛躍的に向上していった。今では身長184センチ、体重83キロの強靭かつバネのある肉体を使いこなしている。イヒネは自身の大きな変化に驚きを隠さない。

「入ってきた時はスイングスピードが遅かったんですけど、今はかなり上がりました。サンドボールを遠くに飛ばす練習を1年間やり続けたところ、インパクトが強くなりました。トレーニングは下半身のスクワットやデッドリフトでとことん自分を追い込んで、背筋の力がだいぶ上がってきました」

すでに11球団のスカウトが視察に訪れ、周囲からプレーを絶賛されることも増えた。イヒネは「褒められて気持ちいい」と笑いつつ、こんな実感を口にした。

「野球の実力に直結する体づくりに取り組んできたので、誉だったからこそ成長できたのだと思います」


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