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【都立新宿】野球部伝統の「新宿三全」、全員野球・全力野球・全国野球

2022.5.31

大都会新宿のド真ん中にある文武両道校、都立新宿高校。そんな高校の硬式野球部がこの春の東京大会で旋風を巻き起こしました。躍進の陰には母校の伝統を大事にする、OB監督の姿がありました。都立新宿高校取材の後編です。


取材前編はこちら→

部室に『日本学生野球憲章前文』を掲げる

野球部の部室の入り口には、3年前に卒業した女子マネージャー・池鍋萌香さんが美しい文字で模写した『日本学生野球憲章前文』が掲げられている。制定は1950年。2018年夏に明大球場で試合をした際に、田久保監督が控室で見つけたという。
「『日本学生野球憲章前文』が貼られているのを見ました。改めて読んでみると、“何のために”学生野球をやるのかがよく書いてあります。特に、今の高校生はコロナ禍のど真ん中。いろいろな制限の中でなぜ野球をやるのかを、私自身も考えるようになりました」



一部を抜粋すると、このような文がある。
『勤勉と規律とはつねにわれらと共にあり、怠惰と放縦とに対しては不断に警戒されなければならない』
『元来野球はスポーツとしてそれ自身意味と価値とを持つであろう。しかし、学生野球としてはそれに止まらず、試合を通じてフェアの精神を体得する事、幸運にも驕らず非運にも屈せぬ明朗強靭な情意を涵養する事、いかなる艱難をも凌ぎうる強健な身体を鍛錬する事、これこそ実にわれらの野球を導く理念でなければならない』(原文ママ)

「私の解釈としては、勉強することもルールを守ることも当たり前で、野球だけやっていてはいけない。そのうえで勝利を目指すことに価値があるが、学生野球である以上はフェアプレーで戦い、悲運があったとしても、屈せずに戦い抜く。この理念のおかげで、コロナ禍でも道を見失わずにいられました。新宿の部員にも、こうした話をするようにしています」


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