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獨協大学硬式野球部を紹介|学生コーチインタビュー北條泰平(3年・日本文理出身)

2022.2.4

スポーツ推薦の制度はなく、入部してくる選手は基本的に指定校推薦や一般入試をクリアした選手のみで中には浪人を経験している選手も在籍している獨協大学。そんなチームがなぜ結果を残すことができるのでしょうか? 選手と学生コーチにお話を聞きました。


責任もやりがいもある学生コーチ

北條泰平 3年 学生コーチ(日本文理/新潟県出身)


——獨協大を選んだ理由を教えてください。
自分自身あんまり野球が上手くなくて、セレクションのあるような大学は行けないと思っていました。だから希望すれば野球部に入ることができて、勉強面でも評価の高い大学という二つの軸で考えて、それに当てはまるのが獨協大だということで決めました。

——高校の時に勉強はしっかりしていましたか?
しっかり勉強していました。野球部では自分の右に出るものはいなかったと思います(笑)。だから指定校推薦に関しては苦労しなかったですね。

——夏の練習会には参加しましたか?
はい、参加しました。正直上下関係も厳しいと思っていたんですけど、全くそんなことがないことに驚きました。練習の雰囲気も4年生から1年生まで凄く良くて、それも最終的な決め手になりました。

——学生コーチになったのはいつからですか?
最初は普通に選手として入部しましたけど、2年の春までずっとBチームでした。それでコロナがあって全体練習ができなくなって考える期間があったんですけど、このまま選手としてチームに貢献できないなら学生コーチになった方がいいなと思って、2年秋のシーズンが終わったタイミングで自分から言って(学生コーチに)なりました。

——選手から学生コーチになると役割も求められることも変わると思いますけど、苦労したことはありませんでしたか?
高校の時も他の投手をサポートすることが多かったので、役割が変わることでの苦労はあまりなかったです。ただ練習メニューを考えることや、練習試合で誰が投げるかを決めるなどは今までやったことがなかったので、最初は難しかったですね。

——亀田監督は学生コーチを大人扱いして、責任も権限も与えると話していましたけど、実際はどうですか?
本当にそうだと思います。基本的にこちらに任せてくれますし、誰をAチームにするか、誰を起用するかもこちらから提案する形なので、責任もやりがいもありますね。

——学生コーチをしていて気をつけていること、意識していることはありますか?
ピッチャーは全員で45人いるのですが、まずは全員で頑張れるような組織と雰囲気を投手担当の学生コーチである自分と下級生の2人で作ることですね。あとコーチだからと言って自分が全て正しいとは思わず、選手の意見も大切にするということです。コーチが与えるだけではなくて、お互い意見を言い合いながらやっています。これはピッチャーだけではなくてチーム全体に言えることで、亀田さんもそういう方針なのでそこは意識していますね。

——入れ替え戦の時は主戦の投手が故障で苦しかったという話でしたけど、学生コーチとしても大変でしたか?
チームとしてはもちろん痛かったですけど、他にもいいピッチャーはいるので、そこまで大変だとは思いませんでした。逆に他のピッチャーに対して喝を入れるじゃないですけど、投げられるメンバーでしっかりやろうということは言っていました。

——新チームになって最上級生になって変わったことはありますか?
最上級生の学生コーチということで下手な姿は見せられないなというのはありますね。ただ、自分と同じ学年のピッチャーが15人いるんですけど、全員生き生きしているというか意識高くやれているので、今は楽しくできているという気持ちの方が強いです。

——亀田監督からは先日の紅白戦で炎上したピッチャーがいて、野手の方から投手に対してかなり厳しい声もあったと聞きましたが。
野手の学生コーチからは『もっとしっかりやろうぜ』ということはかなり言われて、実際投げているのは自分じゃないんですけど、責任をヒシヒシと感じました。そういう野手とのやり取りも大事ですし、しっかりコミュニケーションをとらないといけないなとは思います。

——役割は高校の時とは違いますけど、大学で野球を続けて良かったなと思うのはどんなところですか?
一番は自分たちで考えてできるというところですね。高校までは指導者の方が決めたことをみんなでやるということが多いと思いますけど、大学では基本的に学生が決めることが多いです。もちろんチームとしての大きな方向性は亀田さんから指示はありますけど、細かいところは自分たちが主体になってできているので、そこが一番楽しいですし、もっと突き詰めていきたいなと思いますね。

——野球以外の学生生活について高校との違いはどうですか?
まず授業については大人数で受けるので、やるのもやらないのも自分次第というところですね。だから高校の時以上に自分を律しないといけないと思っています。ただ周りが勉強もしっかりやるので、自分もやらないといけないと思って自然にできました。野球だけやって授業を受けないという選手は全くいないです。生活面については父が単身赴任でずっと東京にいるので、そこで一緒に暮らしています。料理とかは父がしてくれるので、掃除は自分がするなど分担してやっています。コロナ禍は授業がリモートで父も在宅勤務で2人ともずっと家にいて大変だったこともありましたけど(笑)、生活面では助かってますね。

——終学年の目標は?
一つ上の先輩方があと一歩で一部昇格というところまでいったので、春はまず一部昇格が目標です。秋に一部に上がったら2位以内に入って関東選手権に出て、そこでも決勝まで行って神宮大会に出るというところまで目指したいですね。それが今立てられるチームとして最高値の目標なので。ただ当然上ばかり見るのではなく、足元の課題もしっかり見ていかないといけないとは思っています」

——入れ替え戦を戦ってみて見えた課題や手応えはありましたか?
自分はスタンドから見ていた限りですけど、プレーの面では打撃力など差はあったと思います。ただ、チームとしての一体感は決して負けていなかったと思いますし、雰囲気は上回っていたかなと感じました。

——大学を卒業した後や将来のことはどう考えていますか?
自分は野球にずっと携わりたいという気持ちが強いです。大学で学生コーチとして全うしたとしても、全て満足して終わることはないと思うので、その気持ちをどうやって生かそうかと考えると野球に携わり続けるのが良いかなと。やっぱり野球が好きなので。具体的なことはまだ固まっていませんけど、教職はとっています。ただ新卒で教員として指導者になった方が良いのか、企業で働いて外部コーチという形でかかわった方が良いのか、悩むところもあるので、就職活動もやっています。

——最後に高校生に対してメッセージをお願いします。
獨協大学としての良さは上下関係もなくて、下級生の頃から自分のやりたい野球を遠慮なくできるというところですね。あと大学野球としては、甲子園ほど注目はされないですけど、レベルの高い選手が色んな所から集まってくるので、自分の世界は間違いなく広がると思います。野球が好きならぜひ大学でも野球をやってもらいたいですね。そのことでより野球が好きになる人も多いと思います」

(取材:西尾典文/写真:編集部)

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