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【高校球児のための大学野球部ガイド】獨協大学硬式野球部を紹介!

2022.1.20

以前は東海大が圧倒的な強さを誇っていた首都大学野球連盟。しかしここ数年は二部まで含めて力の差が小さくなっている印象が強い。そんなリーグで確かな存在感を示しているのが獨協大です。昨秋のリーグ戦では見事に二部優勝を果たし、入れ替え戦では惜しくも1勝2敗で一部昇格は逃したものの、西武からドラフト2位指名を受けた佐藤隼輔を擁する筑波大をあと一歩のところまで追いつめました。そんな獨協大学硬式野球部を紹介します!


監督よりも権限が強い学生コーチ

一昨年のドラフトでは並木秀尊(ヤクルト)が同校から初めてNPB入りを果たし、近年では社会人で野球を続ける選手も増えている獨協大学。しかしスポーツ推薦の制度はなく、入部してくる選手は基本的に指定校推薦や一般入試をクリアした選手のみ。中には浪人を経験している選手も在籍している。そんなチームがなぜ全国でもトップクラスのレベルを誇るリーグで結果を残すことができているのか。その秘密を探るべく、チームの指揮を執る亀田晃広監督に話を聞いた。



亀田監督は東北福祉大から社会人野球の日本通運で内野手として活躍。膝の怪我をきっかけに現役を退いた後、指導者を目指して教員免許を取得し、2014年から獨協大の監督に就任している。選手時代はアマチュア球界のトップでプレーしてきた指導者であるが、自身の経験をむしろ反面教師にしている部分があるという。

「高校は普通の公立高校だったんですけど、大学では本当に野球しかしてきませんでした。社会人も野球で入社したので引退するまで何もできなかったんですね。言い方は悪いですけど本当にただの“野球バカ”ですよね。だから自分みたいな大人にならないように、自分を反面教師にして野球を通じて色んなことを学んでもらうのが一番です。うちは特待生もスポーツ推薦もないので指定校推薦で入ってくる選手が多いですけど、野球部のための枠があるわけではないので簡単ではありません。だから自分みたいに野球だけやってきた子はいないですね」

それでも亀田監督の就任以来、部員は増え続けて今年は4学年合わせて170人を数えた。非常勤のコーチやトレーナーはいるものの、常駐の指導者は亀田監督だけとのことだが、そんなチーム事情だからこそ重要になってくるのが学生コーチだ。

「現在OBのコーチが1人土日に来てくれていますが、自分だけで170人もいる部員を見るのは当然目が届かないので、学生コーチが重要になってきます。ですから会社と一緒で組織、役割をきちんと明示して、選手の前では学生コーチを大人扱いするようにしています。Aチーム、Bチームの入れ替えについての権限も僕よりも学生コーチの方が強いですし、リーグ戦のメンバーを決める時も僕と学生コーチはフラットな立場で話し合います」



選手や学生コーチに話を聞いて驚いたのが、監督のことを役職ではなく「亀田さん」と呼んでいたことだ。一般企業では社長のことを役職で呼ばないなどという会社も増えてきているが、大学や高校の野球部ではあまり見たことがない。このあたりも監督と学生コーチ、選手との関係をよく示していると感じた。そしてそれは役割分担だけでなく、亀田監督が選手に対してリスペクトの気持ちがあることも関係していると言えそうだ。

「最近はプロとか社会人で野球を続けたいという選手も出てきましたけど、本格的な野球は大学までという選手が多いです。自分の大学時代とは違って当然授業もちゃんと受けないといけない。そんな中でも一生懸命やる選手ばかりですし、本当に凄いと思います。本人たちの前では直接言わないですけどね(笑)。寮もないので一人暮らしで身の回りのことをやっている選手も多いです。あとアルバイトもOKにしていますけど、そこから学ぶことも多いですよね。さっきも言ったように特待やスポーツ推薦もないので、学生にPRできる武器があるとすれば、野球は野球でしっかりやる『文武両道』ということですね」。


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