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【準硬式】学生たちの頑張りが光る“新関東大学リーグ”

2021.9.27

2019年に創立40周年を迎えた若いリーグ。公式戦はサーティーフォー相模原球場、あきる野市民球場など10会場以上の球場を探して使用。今年は辞退校が続き学生委員の運営力が試されるリーグ戦となった。創価大、国士舘大世田谷などを中心に切磋琢磨していて、未経験者、途中入部を歓迎しているチームも多い。


緊急事態宣言で二転三転するなか、球場探しに奔走した学生たち

イレギュラーなことに振り回された春だった。緊急事態宣言の影響で予定していた球場が使えず、リーグ戦は延期と変更の繰り返し。辞退校も増え、試合日程が二転三転するなか、役員の久司大貴さん(3年・日本大理工学部)らが球場探しに奔走。優勝決定戦はあきる野市民球場で異例のナイター開催できることになった。「試合が決まっていた東京都内の球場が次々と使用禁止になり、選手たちもコンディション管理が難しかったと思います。そんななか、皆さん協力してくれて終えることができました。色々と勉強になる春季リーグでした」と語るのは学生委員の長田藍子さん(3年・国士舘大世田谷)。国士舘大世田谷は、昨夏に甲子園交流試合に出場した門田朋也選手(国士舘)が1年生ながら2番センターで活躍。リーグ優勝に貢献し、予選会3試合でも3割6分4厘の打率を残した。9月の清瀬杯優勝を狙う。

昨夏のサマチャレ杯に出場した創価大。初戦の筑波大戦では1番吉田大悟選手(関西創価)の三塁打などで快勝。3年生の集大成となる試合でうれしい1勝を挙げた。

授業優先で試合は土日。理系、医学系の学生も両立している

 リーグ戦2位で予選会に出場した創価大には、関東連盟学生委員長の梅田智司さん(4年・関西創価)が在籍している。梅田さんは新関東リーグの魅力をこう語った。
「一言で魅力を言うのは難しいのですが、各チーム自由な雰囲気があって、チームを越えた和気あいあいとした交流が魅力だと思います。選手が監督を兼任していたり、体育会として認められていないチームも多いので授業優先にしてもらい、土日中心で試合を行っています。サークルよりは真剣で硬式よりは楽しい。それが新関東リーグの特徴でしょうか」。医学、薬学系の大学が多く所属しているリーグ。授業が忙しい理工学部、医学部、薬学部の選手も実習や課題と両立して野球を続けている。


宮崎紘(国士館大世田谷)
▪守備:投手
▪学年:3年
▪出身校:市立船橋
チームに勢いを与える力投で、春季リーグ優勝の立役者となった宮崎投手。準硬を選んだ理由は父親の一言がきっかけだったと言う。「高校野球を引退した時、父が『準硬式という野球があるぞ』と教えてくれたんです。悔いが残る高校野球だったので野球を続けてみようと思いました。とにかく野球が好きなので……」と笑う。「準硬式はいろんな野球の価値観を持った仲間が集まって、主体的に練習に取り組む場。楽しいです」。


久司大貴(日本大理工学部)
▪守備:外野手
▪学年:3年
▪出身校:金沢錦丘
自校が辞退するなか、リーグ戦開催に向けて奔走した一人。「対応力がついていい経験になりました」とコロナ禍の運営を振り返る。「大変だったぶん他校に友達もできました」。主体的に動く準硬に、やりがいを感じている。


長田藍子(国士館大世田谷)
▪マネージャー
▪学年:3年
▪出身校:白河旭
高校時代の女子マネ経験を生かし、準硬でも明るくてきぱきと仕事をこなす。新関東リーグの女性リーダーが長田さんだ。人一倍強いチーム愛は部公式インスタグラムの投稿にも表れている。学生委員としても活躍中だ。


坂元良行(創価大)
▪守備:内野手
▪学年:4年
▪出身校:関西創価
主将として臨んだ昨年のサマチャレ杯では初戦で先制スクイズ、2安打を打ち仕事を果たした。高3夏は大阪で16強入り。同級生が引退するなか、4年生としてチームに残留し、後輩育成、チーム強化を手伝っている。


西原文大(国士館大世田谷)
▪守備:投手
▪学年:3年
▪出身校:湘南学院
高校時代は背番号18で南神奈川大会16強入りした。硬式軟式、双方からの転向が可能な準硬に興味を持ち入部した。「高校生は結果が出なくてつらいときや練習がしんどい時期があると思いますが頑張って欲しいです」。


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