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【準硬式】実力主義No.1 1部から6部まである“東都大学リーグ”

2021.9.19

全国最多の34チームが所属する東都リーグ。4部ある硬式より多く、6部まである。2部の國學院大が2020年関東選手権優勝を決めたように、2部以下にも関東屈指の実力校がひしめく。今春の関東選手権で優勝した中央大、予選会を勝ち抜いた國學院大、専修大の3校が全日本大会、日本大が清瀬杯に出場し優勝を狙う。


日本一を本気で目指したい人に薦めたい、実力派リーグ

大学硬式の代名詞「戦国東都」は準硬も同じだ。1部から6部までの組織で、入れ替え戦もある。リーグ戦終盤の緊迫感は凄まじい。そのプレッシャーに打ち勝つ練習をしているのが東都リーグのチームだ。高校時代果たせなかった「日本一」を本気で目指したい選手にお薦めのリーグなのだ。
 盟主である中央大は全国制覇12回、関東選手権優勝14回、リーグ優勝65回を誇る伝統校。セレクションに合格した選手31名、女子マネージャー3人で質と量にこだわった練習を行っている。5年ぶりの日本一を狙う今年の全日本大会にも注目だ。
 その中央大のライバル的存在なのが日本大だ。2015年の全日本大会を含む5度の全国制覇。2020年関東準硬サマーチャレンジカップ優勝を果たしている。日頃は大学施設内の練習場で行うパーツ練習で技術を磨く。9月は清瀬杯優勝に全力を注ぐつもりだ。1980年全国優勝の専修大、2019年全国4強、2021年関東選手権3位の国士舘大なども近年は安定した力を見せている。

春季リーグ戦で優勝した青山学院大。硬式と同じブルーのユニフォームが眩しい。練習は町田市のグラウンドを使用。1978年は全日本選手権優勝を果たしている。

強い東都の理由。新人戦から創られる競争文化

そんな1部と入れ替え戦で激戦を繰り広げているのが、今季優勝の青山学院大、2位の國學院大、3位の東洋大などだ。8勝2敗で優勝した青学大はエース向井彪流(3年・札幌第一)が骨折で離脱する中、阿久津創(2年・国分)が好投しチームを救った。
「3部にも筑波大や亜細亜大などがいて油断できない。入れ替え戦が怖くて気が抜けない」と選手は話している。負けられない空気が最も濃いのが東都リーグ。6月は新人戦「第4回アルシスコーポレーションカレッジベースボールカップ」が開幕し自チームのレギュラー入りを目指す下級生たちが腕試しをする。「実力の東都」は激しい競争から創られている。


中野夏生(青山学院大)
▪守備:内野手
▪学年:2年
▪出身校:県相模原
高3夏に横浜に勝って神奈川4強。阪神・及川雅貴投手から2安打を放ち「野球はもういいかな」と思った。大学ではラクロス部に入るも半年後に再び野球に。「初めて準硬で野球をやってみたら、金属バットを使うので打球を飛ばせて楽しい」。野球の楽しさを再び思い出し、三番打者で安打を重ねている。青葉リトルシニア―県相模原と神奈川野球で揉まれてきた。「野球は一生やっていきたいですね」と話す。


上原怜央(東洋大)
▪守備:外野手 ▪学年:3年
▪出身校:佐久長聖
今春の駒沢大戦でソロ本塁打。1年生から出場し続ける東洋大のリーディングヒッターだ。高3夏は甲子園2試合に出場したが「自分に合っている」と準硬の道に。夢である警察官を目指し、文武両道で野球を楽しんでいる。


天池 空(國學院大)
▪守備:投手 ▪学年:1年
▪出身校:県相模原
浪人を経て1年8カ月ぶりにマウンドに復帰。予選会の国士舘大世田谷戦で好リリーフし全日本大会出場を果たした。高3夏に県4強を果たしたが「一度も野球で優勝したことがないので1度は優勝したい」と燃えている。


高野良輔(専修大)
▪守備:外野手/主将 ▪学年:4年
▪出身校:滝川第二
1部3位から全日本大会出場を決めた。「主将としてコロナ禍で1人ひとりに積極的に話しかけるようにしました」。チームをまとめた工夫を語る。自身初の全国大会に「実感がない……。上を見すぎず勝てる試合を確実に」。


河野祐也(青山学院大)
▪守備:外野手 ▪学年:3年
▪出身校:鎌倉学園
2部リーグ首位打者。8試合12安打6打点、打率4割4分4厘の高数字。準硬で打つコツは「ホームベースよりに立ってインコースをつぶして打つこと」。高3夏に南神奈川大会で準優勝に終わった悔いを晴らしに準硬へ。


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