企画

【準硬式】伝統と人気とブランド力のある“東京六大学リーグ”

2021.9.17

六大学のユニホームに憧れる高校球児は多い。硬式と同じユニホームで日本一を争
う六大学の準硬式は、レベルが高く人気も高い。「硬式は壁が高いが真剣に六大学
で野球をやりたい」と思う高校生は、一度選手たちの本気のプレーを見てほしい。
高校野球を文武両道でやってきた選手ほど、挑戦してほしいリーグである。


勉強も野球。両方とも頑張った 選手たちが集まるリーグ

2020年11月21日、「早慶戦」が横浜スタジアムで開催された。コロナ禍で全国大会が奪われた4年生のために、交流戦と引退試合を兼ねた、華やかなスペシャルマッチ。試合はナイターになるほどの熱戦となり、10 −7で慶應大が勝利した。
付属高校からの内部進学、学内推薦、一般受験と、大学に入ったルートは選手によってさまざま。浪人して入学した選手もいる。「高校野球を、文武両道でやってきた選手しか入れないリーグ」と選手たちは言う。
野球を好きな気持ちだけでは入れない。慶應大OBの関東地区連盟・山田善則理事長は「大変だとは思いますが、これからの高校球児には勉強も野球も両方頑張ってほしい。そういう選手を応援したい」と全国の高校生にメッセージを贈った。


全日本大会出場を決めた法政大。堀江悠介主将を中心に組織力に優れ、エース西村勇輝(4年・日本文理)ら投手陣の安定感は全国レベルだ。

全国大会出場がゴールじゃない。試合後に言った主将たちの一言

自由度が高いぶん、選手の意識も「楽しく」から「日本一」まで、幅が広い。それだけに主将のチームマネジメントが重要だ。甲子園常連校で帝王学を学んできた主将の、全日本大会出場を決めた後の言葉が印象的だった。法政大の堀江悠介主将(4年・健大高崎)ははっきりと目標を口にする。「東都のほうがレベルは上だと思われているので、全国で中央大を倒したい。実力主義でメンバーを再編成して、日本一を取るための準備をする」。明治大・谷口秀斗主将(4年・広陵)も「2年前4強で終わった。優勝するためには、ここから全国大会までの間に、しんどいことをどれだけできるか。やらない選手は使わない」と厳しい口調で言い切った。
6校しかないリーグ。それだけにチームの責任は重い。六大学の誇りを胸に、学生野球の本分である文武両道と勝利を、体現する。


渡部椋雅(早稲田大)
▪守備:内野手
▪学年:4年
▪出身校:桐光学園
主将で四番。今季は最多タイの4HRを記録。昨秋は横浜スタジアム(OP戦)でも本塁打を打った。「高校時代に活躍できなかった自分のような選手でも、準硬なら成長できると思います。意図をもって準硬を選んでくる選手が多いのですごく刺激をもらえる」。渡部主将は野球を全力で楽しむことを心がけている。高校生へのメッセージは「4年間は夢がある。準硬に限らず大学で好きなことを見つけて欲しいですね」。


市野晧也(立教大)
▪守備:内野手 ▪学年:4年
▪出身校:半田
「グラウンド整備のあとしっかり挨拶したり自分でもゴミを拾ったり、生活態度から徹底したら勝てるようになった」と昨秋の快進撃を振り返る。2時間練習だった高校時代は18時半から勉強。一般入試で合格をつかんだ。


永井克樹(明治大)
▪守備:外野手 ▪学年:3年
▪出身校:広陵
「決まったよ!」。全日本大会出場が決まった日、広島の両親に連絡をした。「同じ中国地区の岡山県開催なので何としても決めたかった。友達も呼べたら招待したいですね」。広陵の先輩・谷口秀斗主将とともに燃えている。


田村陽大(明治大)
▪守備:内野手 ▪学年:1年
▪出身校:花巻東
1年生ながら投打に活躍。投げては予選会(国士館大世田谷戦)で好投、打ってはリーグトップ4本塁打、27打点を挙げた。全日本大会での1発&快投に期待がかかる大型ルーキー。「4年生のためにも全国制覇したい」。


霜鳥大輔(立教大)
▪守備:内野手 ▪学年:3年
▪出身校:佐倉
春のリーグ戦4割4分1厘の要因は「体調管理と毎試合出続けること」。練習は木と金。それ以外は勉強・趣味に熱中している。「1浪しましたが思い描いていた通りの大学生活。もっと大会があるといいですね」。


お詫びと訂正
大学準硬式野球部ガイド2021(P8)の記事に一部誤りがありました。早慶戦の紹介を「準硬式初」と記載しましたが、リーグ戦で対戦しているため、初ではありません。「交流試合としては初」の誤りでした。両校関係者の皆様にお詫び申し上げます。  


PICK UP!

新着情報