目標は関東聾学校野球大会V! 相手が驚くプレーをしたい
チームのキーマン3人に話を聞いた。3年生が一人しかいない今のチームは、丹野君、大内君ら下級生も主力としてチームを引っ張る。“おちゃめ”な主将・大土君と、投げても打っても頼りになる大内君、守備とピッチングの精度に定評がある丹野君。彼らの高校野球への想いとは……?
大土 小6の時、野球部の練習を見て、ある先輩に憧れたのをきっかけに中1から野球を始めました。ゲッツーを取った時や、ゴロを打つサインが出てエンドランで点を取った時がうれしいです。冬場は2万スイングを達成して自信がつきました。仲がいいチームなので今夏で引退するのは寂しいですが、キャプテンとしてみんなを引っ張り、勝ちたい。個人的には嫌がられるバッターになりたいです。
大内 ソフトボール投げで遠くに投げられたので野球部に入ろうと思いました。セールスポイントは肩とバッティング。遠投は90mくらい投げられます。ソフトバンクの上林選手に憧れています。卒業までに本塁打5本は打ちたい! 好きな言葉は「俺たちはできる!」。まだ優勝したことがないので、自分が出塁してチャンスを作って優勝したいです。

熱い保護者。スタンドの応援がチバロウの力!
藤田監督が「応援は関東NO.1」と自慢するほど保護者の結束が固いチバロウ。大会前はお手製のお守りを作り贈るのが恒例行事になっている。夏の公式戦になると、スタンドでメガホンを片手にどこよりも大きな声で選手を応援すると言う。最後の夏を迎える大土主将の母・美穂さんは「学年一人だけの部員だったので寂しい時もあったようですが『このまま頑張りぬけば良いことがある。長く続けることが力になる。これから先も頑張れる人になれるんじゃないの?』と声をかけました。野球部の仲間がいたからやめずに頑張れたのだと思います」と振り返る。

中1の時、初心者で入部した野球部。初めてヒットを打った時の喜びは美穂さんも決して忘れていない。野球を通じて「自分らしさ」を全面に出している選手たちを見つめながら「みんなが輝く夏になって欲しい。一致団結して一生懸命がんばったら、それが輝きだと思う。試合ができることに感謝して、去年の3年生の分まで悔いのないように出し切って欲しい」とエールを送った。

(取材・文/樫本ゆき 写真/廣瀬久哉)