そんな中、アスリートにぜひ食べてもらいたい食事の一つが鍋料理です。作る側としてはあまり手間がかからず準備が簡単に済むだけではなく、食べる側としても「主菜」「副菜」「汁物」が一度にとれる優れものなのです。お鍋にはたくさんの野菜を始め、肉類・魚介類・食物繊維の豊富なキノコ類・豆腐など好きな具材を入れることができますし、鍋の後には〆のご飯やうどん、ラーメンなどを食べるとエネルギー源である炭水化物もしっかりとることができます。お鍋に入れる野菜や具材はその時々によって好きなもの、効果を期待するものを選ぶとよいでしょう。
ビタミンB1の豊富な豚肉に「食べる風邪薬」ともいわれる春菊、ネギなどを入れると体も温まり、免疫力アップの効果が期待できます。最近はいろんな味のお鍋も登場しているので豚肉とニラをたっぷり入れたキムチ鍋は疲労回復に、豆乳ベースのだしに豆腐やお揚げ、鮭などを入れた豆乳鍋は洋風テイストにもなり、植物性タンパク質と動物性タンパク質をしっかりとることができるので体づくりにも役立ちます。さらにゴマを加えると風味も良く栄養価も高まります。小松菜や水菜はカルシウム含有量が非常に高く、生野菜として食べるとかさばって量が食べられませんが、鍋料理ではたくさん食べることができます。カレー鍋はカレー粉に含まれる香辛料が食欲をそそるだけではなく、胃腸薬とほぼ同じような生薬が入っているため、実は胃腸にとっても非常にやさしい食事といえるでしょう。お正月には〆のご飯代わりにお餅を入れてもいいですね。
お鍋に入れる具材をあれこれと考えて選ぶことも楽しいですし、何よりみんなでお鍋を囲む食事の時間が楽しいのは言うまでもありません。これからの時期、栄養バランスに優れた鍋料理をぜひみんなでワイワイと食べてもらいたいなと思います。