企画

悩む君たちへ。ハングリーな元選手たちがZoomでメッセージ

2020.6.4

5月25日にオンラインツール「Zoom」による「緊急企画 世界の野球経験社会議」が行われました。元ロッテ投手で、海外プレー経験のある小林亮寛さんら3名が企画し、渡辺俊介さん(元ロッテ)や古木克明さん(元横浜)なども参加。動機や経緯はさまざまだが、MLB挑戦や、プレーヤー活動継続の道を求めて海外で戦った計20人のスピーカー(経験者)のメッセージに、100人の閲覧者が耳を傾けました。その様子をレポートします。


「進路に悩む高校3年生、大学4年生の耳にも届いてほしい」

NPBを経て海外5カ国でプレーした小林亮寛さんがその思いを胸に、国内外の独立リーグ経験者の長坂秀樹さん、根鈴雄次さんと緊急Zoom会議を企画した。オンラインで全国の野球仲間に声をかけたところ、計20人の海外野球経験者が“集合”。アメリカ在住でメジャーリーガーを目指す19歳の根岸辰昇さんが現在の野球環境を話すなど、国境を越えた熱いトークが交わされた。この会議、SNSを使っての直前告知だったにもかかわらず、開始30分で視聴者が最大許容数の100人に。休校中の学生や、保護者が自由に閲覧できるよう「オープン設定」にしたこともあり、予想を上回る反響となった。小林さんは「(仲間同士の)オンライン飲み会を誰かに聞いてもらおうというくらいの気持ちでしたが、多くの人に注目していただきうれしかったです」と2時間の会議を振り返った。


プロ未勝利の小林さんら、挫折を味わった20人のフリートーク

新型コロナウイルス感染症の拡大で甲子園大会や、大学野球選手権大会が中止になった今、この会議で小林さんが一番伝えたかったのは「道は自分で切り拓くもの」というハングリー精神だ。PL学園からドラフト6位でロッテに入団。ケガもあり、5年間で一度も1軍経験がないままプロ野球を退団した。中日の打撃投手を経て、再び現役選手に挑戦したのが26歳。アメリカ、台湾、メキシコ、韓国で活躍の場を求めてプレーし、納得した形で35歳のときに引退を決めた。この日集まったメンバーも、小林さんと同じように挫折を何度も繰り返し、立ち上がりながら野球を追い求めた元選手たち中心だった。


「大丈夫。休みは体が大きくなれるチャンスだよ」(根鈴氏)

長坂さんは「海外に行くと、野球に挫折した人ばかり集まっていた。野球が好きなら、その気持ちは残していてほしい。諦めないでほしい。多くの選手を見てきた中で(野球が)うまくなるのは25歳からだと思っている」と持論を交えてエール。
米・エクスポズ傘下3Aまで昇格した根鈴さんは「僕は家庭の事情で高校野球ができなかったけど、10代で海外に行って法政大学に23歳で入学。7季プレーしました。いま選手たちはコロナ禍で不安だと思うけど、休んでも全然大丈夫。体が大きくなれるチャンスだよ」と励ましの言葉をかけた。
その他の参加者からも「野球が離れたからこそ、野球に戻ろうと思った」、「道は自分で取りに行く。今がそのチャンス」、「映画『オールドルーキ―』の日本版を目指した。年齢は関係ない」など、野球ができない学生たちの現状を思い、経験に基づいた助言が送られた。


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