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【京都国際】狭いグラウンドで磨き上げられる内野守備

2019.11.18

ここ1年間の京都大会での成績を見ると、この秋の京都大会はベスト8。今春は府大会優勝、今夏、昨秋は準優勝と、京都国際は府内では常に上位に進出している。この秋のドラフト会議では上野響平選手が日本ハムから3位指名を受けたが、これまでプロ野球界に4人の人材を送り込んでいることはあまり知られていない。そんな京都国際のグラウンドに足を運んでみた。


学校はJR京都駅から車で15分ほどの緑に囲まれた小高い丘の上に校舎があり、寮と校舎は同じ敷地内にある。グラウンドも校舎の目の前にあるが、専用グラウンドとはいえ、レフトは75m、ライトは60mほどの長方形で、野球のグラウンドと呼ぶには決して恵まれた広さではない。

練習が始まるのは授業を終えた15時半ごろから。週に2度、午後からの授業が部活の練習時間に充てられ、午後から練習に励むことができる。ただ、狭いグラウンドでは限られたメニューしかこなせない。外野ノックやバッティング練習ができるのは、大会前など、たまに行う球場練習でのみだ。「バッティング練習はグラウンド後方にある室内練習場で組分けをしてやるのですが、室内練習場とは言ってもそこまで広くはないです。ただ、試合でウチが負ける時は、内外野の連係ミスがほとんどなんです」と小牧憲継監督は苦笑いを浮かべる。

限られたスペースだからこそ、練習メニューには工夫を重ねている。まずはボール回し。始める前に、三塁ベースの少し前に円を描き、三塁手は捕球後、そこから挟殺プレーを意識してジャンピングスローしたり、わざとボールを落として捕球してから、もしくは一塁への目をそらしてから投げたりするなど、全体練習の半分以上は内野守備に充てられる。



ノックではまずベースを前寄り、つまり短い距離に置く。これは実はソフトボールをイメージしたもの。ソフトボールは塁間距離が短いため、捕ってからすぐに投げないと間に合わない。そのため無駄な動きがなくなり、取ってからすぐに送球する技術が磨かれる。
「ウチに入ってくる子の能力は決して高くはない。この距離なら投げられるよ、と理論理屈で説明しても、そこまでの感覚が彼らにはありません。そこで考えたのは、このソフトボールの距離のノックです。単純に女子ソフトボールを見ていた時にヒントを得ました」(小牧監督)。



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