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【星稜】内山壮真キャプテン「今度こそ日本一になりたいんです」

2019.11.15

準優勝した夏の甲子園からわずか2日。準優勝の余韻に浸る間もなく、内山壮真は早朝の星稜グラウンドにいた。新チームの初練習が、この日にスタートしたのだ。


「甲子園の決勝があって翌日に石川に帰ってきて、その翌日には新チームの練習が始まりました。あの頃は…いっぱいいっぱいという感じでした。キャプテンになってからは、何かをするというより、自分が何でも進んでやらないと、という気持ちでやってきました」。

先日のドラフト会議でヤクルトから1位指名を受けた奥川恭伸と同じく巨人から5位指名を受けた山瀬慎之助とのバッテリーが中心となり、前チームは昨秋の明治神宮大会では準優勝。センバツは2回戦で敗退したが、夏の甲子園は準優勝。そして茨城国体にも出場した。すべての全国大会を経験したチームからバトンを受けた内山は、1年生だった昨春から遊撃手のレギュラーで、下級生ながら好守でチームを支えてきた。

今夏の甲子園では準々決勝の仙台育英戦で2本のホームランを打ったことは記憶に新しい。ただ、それまでの2度の甲子園では苦い思い出しかないという。1年夏は3番、2年春は4番打者だった。だが「過去の大会は自分のバッティングが全然できなかったんです。でも、この夏ひとつの大会を通して自分のバッティングができたことは良かったです」。

172cm、72kgと決して体は大きい方ではない。だが、打席を見るたびにしっかり振り切れる力強いスイングが目を引く。全国優勝の経験を持つ父のもとで2歳から小学校5年生まで空手を続けてきた経歴があり、体幹は人一倍強い。俊敏性が高められたのも空手のお陰だと自負しながら、守り続けてきたポリシーもある。
「どのボールに対しても自分の形で振ることを心掛けています。自分の中で決めたスイングのかたち、感覚があるので、それをやり通せているかが結果に左右する。振り切るのもそうですが、インパクトまでの感覚を大事にしています。体を前に出したり後ろに残したり、ポイントも意識しながら振るようにしています」。

夏までは先輩がいる中でバットを振り続けてきたため、プレッシャーはほとんど感じなかったという。この秋からは最上級生になり、自分が引っ張らないといけないという責任感も生まれた。下級生時からチームの軸となった選手は、いざ最上級生になるとプレッシャーに押されて、秋は鳴かず飛ばず…という選手は過去に何度も見てきたが、内山はただシンプルに「思い切りやるだけ」と腹をくくった。その甲斐あってか、この秋の北信越大会は4試合で.470の打率を残した。ただ、自然と意識してしまうのは他校のライバルたちの動向だ。
「特に下級生時から試合に出ている小深田(=大地・履正社)や来田(=涼斗・明石商)はすごく意識しますね。この間、国体で話す機会があったんですけれど、あの2人は夏も結果を残していたし、やっぱり負けられない。秋の大会の結果とか、自然とチェックしてしまいます」。


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