学校・チーム

【敦賀気比】甲子園で強打を見せるチームのバッティング練習

2019.10.8

15年春のセンバツで北陸勢初の全国優勝が記憶に新しい敦賀気比。準決勝では大阪桐蔭を相手に松本哲幣選手(現同志社大)が史上初の1試合2本の満塁ホームランを放つなど11—0と圧倒するなど、全国の高校野球ファンに敦賀気比=強打を印象つけた。そんなチームは日頃、どんな打撃練習をしているのだろうか?


猛打が生まれた裏では1日1000スイングを超える振り込みをはじめ、冬場の厳しいトレーニングなど鍛錬の積み重ねがあった。たっぷりと練習時間を確保し、連日じっくり練習に励んでいるのかと思いきや、東哲平監督からはこんな言葉が返ってきた。
「ウチはそこまで練習時間がある訳ではないんです。授業を終えて16時くらいから練習が始まって、20時には完全にグラウンドから引き揚げないといけないんです。寮で食事と入浴を済ませたら(就寝時間まで)自主練習の時間はありますが、その時間も各自でバットを振ったり走ったりするくらいなんです」。



 専用の野球部のグラウンドは学校敷地内にあるが、校舎からは徒歩で約10分。室内練習場も隣接されているが、決して広い方ではないうえ、北陸地方は秋から春にかけて曇りや雨の日が多く、外で練習できる日も限られている。まれに晴れる日があっても、グラウンドが完全に乾ききれずにぬかるんでいることがあり、思うように外で練習ができないことも多い。一昨年の冬は近年まれに見る大雪に見舞われ、グラウンドには1mを超える積雪があり、大雪の日はグラウンド横の坂をランニングとトレーニングで終わることもあった。



 平日は15時半ごろまで授業があり、授業を終えると練習着に着替えた選手たちがグラウンドへ徒歩で移動。16時過ぎに全員がグラウンドに揃うと、アップで体をほぐした後にベースランニングが始まる。走塁の意識を高めるために東監督が就任時から取り入れており「試合では80cmから1m(のリードで)で勝負が変わってくる。特に今のチームは長打がそこまで出る打線ではないので、単打でどれだけ還って来られるかが大事」と指揮官。ベースとベースの距離を体で確認し、黙々と走り込んでから、キャッチボールへと移っていく。



 その後、まず1か所のケースバッティングが始まった。取材に訪れた日はちょうど秋季大会中のため、実戦形式の練習が中心だ。その後の3か所バッティングでも快音が響き、薄暗くなってきたグラウンドに活気があふれる。


PICK UP!

新着情報