学校・チーム

【小山台】SNS・日誌を用いて時短を図る(後編)

2018.10.30

複数ある日誌を毎日書くことで野球をはじめあらゆることを知る


タブレットも駆使して選手とコミュニケーションを図る福嶋正信監督
技術の向上のために書いている『技術ノート』は、撮影した動画を連続写真にし、張り付けて各自が分析するために活用しています。だからうちの選手は全員が自分のバッティングフォーム、投手はピッチングフォームをわかっています。基本的に連続写真はマネージャーが撮影して作りますが、時間があるときは私も作ってLINEで選手に送ります。第一の狙いはフォームを自分で解説できるようになる、第二の狙いは参考にするプロ野球選手と自分のフォームを比較し、よりよいフォームに仕上げること。この2点ができていると、修正ポイントが短時間で明確になります。

日誌を定期的にチェックするのも大事で、日誌がうまく書けない生徒は毎日確認しています。『野球日誌』では選手が何を考え、どんな思いで練習に取り組んでいるのかがよく分かりますし、日誌の中で選手の心が育ちます。私が決めたわけではないのですが、選手をはじめマネージャーもルールとして毎日1ページを埋めるようにしてびっしり書いてきます。マネージャーはそんなに毎日書くことがないんじゃないかと思うんですけど、よく選手や練習を見ているんだなとこちらが感心させられます。

普段の生活と勉強は絶対に疎かにしない、というチーム方針があり、これは野球にも必ずつながること。だからどれだけ勉強したのかも必ず書いてきます。これも選手たちがルールとして決めたことです。

日誌はもちろん普段の生活からまめにコミュニケーションをとる

 なぜ、試合で結果が残せるのかと他校の監督に聞かれることがありますが、マネージャーやスタッフも含めて全員が一つの目標に向かってまとまっていることが大きいと思います。引退した3年生は40人いてベンチ入りできない選手も大勢いましたが全員がチームのために取り組んでいました。そういうことも日々の日誌交換や普段のコミュニケーションをまめに行うことで、チームがひとつになれました。
 技術についても同じで、選手同士で教え合ってブラッシュアップして、レベルアップした部分が大きい。そういうことの積み重ねや細かい工夫が時短練習を補っていると思います。

(取材・文=西尾典文 写真=広瀬久哉)


都立小山台高校 DATA


●監督/福嶋正信 ●部長/大谷里志 ●助監督/才野秀樹 ●部員数/2年生27人、1年生21人、マネージャー3人 ●1946年創立
2014年の選抜高校野球大会の21世紀枠で甲子園の土を初めて踏む。第100回全国高等学校野球選手権大会東東京大会では準優勝と健闘した。

「小山台」関連記事

  • 1
  • 2


PICK UP!

新着情報