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【智弁学園】監督が大切にする「イマドキ選手」とのコミュニケーション(前編)

2018.9.27

「イマドキ選手」たちの褒め方、叱り方

16年センバツで悲願の全国優勝を果たした智弁学園。その年から現在、センバツは3年連続出場中だ。伝統校としては全国ではおなじみだが、06年に小坂将商監督が就任してからさらに勢いが増したように見える。小坂監督は智弁学園の主将として95年夏の甲子園でベスト4に進出。卒業後は法大、パナソニックとアマチュア野球の第一線でプレーした。監督としては春夏計9回、母校を甲子園に導いている。

今年41歳の小坂監督は、高校野球の指導者だとちょうど“中堅”の年齢に位置するだろうか。だが、指導する上の心得はとにかく“イマドキ”だ。毎年20人前後の新入生を迎えるが、近年は関西圏のみならず関東など遠方からも選手がやってくるようになった。ほとんどの選手は構内にある寮で生活を送るが、できるだけ選手とのコミュニケーションを取るようにしている。

入学直後、まずは新入生の生年月日を携帯電話にすべて登録し、誕生日当日に選手に必ず声を掛けている。とは言っても、小坂監督自身の性格は人見知りで、取材でもあまりガンガン話す方ではない。だが、選手たちとの距離感を適度に保ち、コミュニケーションを取ることを重要視しているのだ。

監督に就任した頃は、何か目につけばガミガミと怒鳴る方だった。
「それが変わってきたのは…6、7年前ですかね。エースの青山(大紀=現オリックス)がいた頃(11年、12年)でしょうか。今の子は厳しいことを言われて育ってきていないので、少しでもキツイことを言うとシュンと落ち込んでしまうんです。だからという訳ではないですけれど、高校野球は2年半しかすることができないので、その2年半、いかに楽しくプレーをさせるか。甘やかすのはダメですが、適度に会話も多くしながらイジる時もあります。選手らはどう思っているのか分かりませんけれど(笑)、自分がもう少し器を大きくしなアカンと思いまして」。

もちろん、怒るべき時は厳しい声で指摘はする。だが、何でも頭ごなしに怒ってはいけない。注意すべき時はコーチとうまく連携を取りながら指摘はするが、褒める時は褒めるように“アメとムチ”の使い分けをいかに上手くできるかがポイントだと考えている。


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