帝京高校のキャッチャー育成をテーマに取材をさせていただきましたが、やはり帝京といえば「強打」。バッティング練習にも触れないわけにはいかないでしょう!ということでほんの少しだけですが、バッティング練習の様子もご紹介します!
全身を使ったスイングと無駄な動きを省くためのバッティング練習
全体練習でこの日特に時間を割いていたのはバッティング練習だ。ケージは三か所設置されており、特に特徴的だったのが両サイド。打撃投手が山なりの緩いボールを高めに投げ、それを高い軌道で打ち返す練習を繰り返し行っていた。この狙いと効果について前田監督に話を聞いた。
「中学までのバッティング練習だととにかく腕だけでコンパクトに叩くことしかやってきていないことが多いんですよ。使っていない筋肉が多いんですね。だから下半身も背中も全部使ってバットを振るということを覚えさせるためにやっています」
その後は実際に守備と走者をつけたバッティングが行われていたが、打撃投手はマウンドから5メートルほど前から速いボールを投げ込んでいた。これだけ近くから投げられるとタイミングをとるために無駄な動きをしている余裕はなく、小さい動きでスムーズに振り出す必要が出てくる。ただそれだけではバッティングが小さくなってしまうため、前の練習で行っていた全身を使って振るということを前田監督は再三注意していた。
帝京というととにかく食事とトレーニングで体を大きくしてパワーをつけるということが有名だ。しかしただそれだけではなく、身につけたパワーを無駄なく使うことも重視していることがよく分かるバッティング練習だった。(取材・撮影:西尾典文)