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【帝京】「今思えば内野をやっていて良かった」田中麟太郎捕手

2017.5.30
田中 麟太郎(たなかりんたろう)3年178cm85㎏右投右打
今年のチームで正捕手を務める田中麟太郎

前編では歴代3位の甲子園通算51勝を誇る前田三夫監督にキャッチャーとして重要なことを、過去にプロ入りした選手を例にしながらお話しいただいた。意外なことに原口文仁選手(阪神)、郡拓也選手(日本ハム)は中学、高校では主に他のポジションを守っていたところからコンバートした選手だったそうだ。そして今年正捕手を任せられている田中麟太郎選手もその流れをくむ選手である。そんな田中選手にキャッチャーとしての醍醐味、キャッチャーへの思い、キャッチャーとして大変なことなどを聞いた。


要求した通りのボールが来ない前提でどうやって抑えるか考える

-前田監督からは去年の秋までは内野手だったと聞きましたが?
「中学ではキャッチャーでしたが、高校に入る時にはサードをやってくれと言われました。一年秋まではサードで二年夏はファースト。二年の秋にはセカンドと内野を守り、キャッチャーに戻ったのはこの春からです」

-自分の中ではキャッチャーをやりたい思いは強かったですか?
「ずっとやりたいという気持ちはありましたが、任せられたところをまずはしっかりやろうという気持ちで内野でプレーしていました。でも春にキャッチャーに戻った時は素直に嬉しかったです」

-他のポジションを経験したことでキャッチャーとしてプラスになったことはありますか?
「プレーの面ではセカンドをやらせてもらったことが大きかったです。ゲッツーでショートに速く投げる練習を繰り返しやったので、グラブから右手へ持ち替えて投げる際の球出しが凄く速くなったと思います。今思えば内野をやっていて良かったです」

-配球の面で監督から言われることや基本的な考え方などはありますか?
「監督さんからはインコースを主体にして考えるように言われています。中学まではまずは外角と考えていましたが、強いチームだと抑えられません。ピッチャーも普段からインコースにしっかり投げられるように言われています」

インタビューに答えてくれた田中麟太郎くん
キャッチャーのやりがいや苦労などを語ってくれた田中麟太郎捕手

-他に監督さんからよく言われることや自分で心がけていることはありますか?
「ただボールを受けているだけだと『壁』だって言われます。あとは自分もこの春からということもあるので、ピッチャーが気づいたことを言ってくれるようによく話をするようにしています」

-キャッチャーをやっていて辛いことはありますか?
「プロテクターとレガースをつけているのでまず暑いです(笑)。打たれたら叱られたりすることもありますが、それはキャッチャーの責任だと思ってやっています」

-キャッチャーとして憧れていた選手はいますか?
「城島健司選手(元ダイエーなど)です。WBCの時にキューバの選手がコースを教えているのに気づいて、本当に投げるコースとは逆に構えていたという話を聞いて凄いと思いました」

-こういうピッチャーだとやりやすいとかはありますか?
「コースに来るピッチャーはいいですけど、高校生なので来ないことは当然だと思ってやっています。こっちが要求した通りのボールが来ない前提でどうやって抑えるか考えるようにしています」

-今後も野球を続けていく中でキャッチャーをやりたいですか?
「キャッチャーがやりたいですけど、言われたところをやります。他のポジションもできるのは自分の持ち味だと思います」

-希望の進路や将来についてはどうですか?
「まずは高いレベルの大学で続けたいと考えています。その先のことはまだ分からないですね」

バックホームへの対応についての練習

この日、キャッチャーの練習メニューで行われていたのが走者を意識してのバックホームの捕球練習だ。外野からの返球に合わせて前田監督自らがもう一つのボールを三塁側から転がし、それを走者に見立てて対応するというもの。そして走者を意識しながらも確実に捕球すること、そして走者の位置を確認して捕球から素早くタッチする動きを身につけることができるという。実際に走者を走らせて行うよりも数を多くこなすことができ、非常に効率的な練習だった。

バックホームへの対応についての練習の様子
バックホームへの対応についての練習

(取材・撮影:西尾典文)

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