今回のテーマは「なぜトレーニングが必要か?」ということについて20分程選手たちに話をさせて頂きました。これは私がリトルリーグ時代に、当時の監督から教わった「トレーニングに関する考え方」を私なりにアレンジしたもので、トレーニングの意義を理解し、より能動的にトレーニングに臨むことを狙いとした講義です。詳細は秘密ですが、今日は少しだけエッセンスをご紹介します。
①野球においては「技術の再現性」が重要
野球という競技は試合中に「投げる」「捕る」「打つ」など、同じような動作を何度も行なう。「繰り返し同じプレーを再現すること」はプレーの安定性が増し、良い結果を出す確率が上がる。
②「再現性」を阻害するのは「集中力」「体力」
「再現性が落ちるとき」は2種類あって、「集中力を欠いて精度が落ちる時」と、「体力的な理由で『再現したくてもできない時』がある。
③反復練習を精度高く取り組むことで集中力は上がる
同じことを繰り返す時、人は集中力が落ちる。反復練習の回数を決めて取り組むこと、その目標回数を増やしていくことで、徐々に集中力の持続性を高めることが出来る。
④体力的には「腰の位置を保つこと」が重要
「打撃の精度」「守備捕球の精度」「投手の制球力」などを阻害するのは、疲れによって腰の位置が高くなって目線が変わり、その「目線の変化」がプレー精度に影響を及ぼす。試合中に「腰の高さ」を維持するためにも脚力の強化は重要である。
実際はもっと事例や動作を含めて説明するのでもうちょっと内容が濃いのですが、だいたいこんな話です。③④のためにはやはり退屈でも反復練習や脚力を鍛えるトレーニングは必要です。選手がどれくらい理解してくれたかは分かりませんが、今後も引き続き伝えていこうと思います。
※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。
著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。