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【少年野球指導者のひとり言】「個性」と「わがまま」は紙一重です

2016.7.26
今のチームは人数が最も少ない時は11名しか選手が在籍していない時期がありました。現在は33名でちょうど3倍です。

この11名と33名ってどっちが練習の効率が良いと思いますか?
答えは「33名」です。人数が少ないとたくさん打ったり、守備機会も多そうに感じますが、人数の少ないチームには効率を落とす要素がいくつかあります。

①準備や後片付けに時間がかかる
②2〜3箇所で打撃練習ができない
③ノックの時、インターバルを長く取る必要がある

他にも多数あります。
結果として一人当たりの打撃や守備練習の量を見ても、今の方が多いと実感しています。

これは多くの人が集まることで全体の合理性が高まることを意味しています。「他人と協力して組織全体の合理性を高める経験」は子どもたちが大人になっても役に立つと思います。

よく「個性」を重んじることを説く人が居ます。私も「個性」を尊重することは賛成です。しかし個性とは「一定の秩序や社会規範、組織のルールを守り、その上に積み上げるもの」だと思います。それを無視した「個性」は単なるワガママです。

団体行動は個人から見れば非効率な場合もあります。しかしそれを「個人の視点」から「非効率」と判断し、回避していてはそれは「合理的な思考」ではなく単なる「わがまま」です。

「自分一人休んでも大して影響はない」と思っている選手が居るとしたら、それは上記のことを理解していない、若しくは貢献しようとしていないと考えられます。これでは団体競技をやっていてもその選手は意味はありません。個人競技に転向したほうが良いと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。

  


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