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【少年野球指導者のひとり言】結果論

2016.7.19
『結果論』という言葉は何かを解説する論理としては悪い意味で使われるケースの多い言葉です。世の中で『結果論』を推奨している人は皆無に等しいと思います。しかし、野球に限らず世の中には『結果論』が蔓延しています。何故なんでしょう?

指導者は文字通り「指導する人」です。指導される人は「正しい教え」を期待しますし、指導する側も「正確に」「分かりやすく」を心がけると思います。私はここに落とし穴があるんじゃないかと思います。

指導者は神ではありません。全てに対して正しい答えを持っていない場合だってあるでしょう。分からないことだってあると思います。私だってたくさんあります。だから勉強するんです。

「不確かなこと」に対する見解を回避し、理由まで解説できるものに限って言及する。そうするとどうしても「結果が出ているもの」に対する言及が増えてきます。そういう意味では、世の中の学問の多くは「結果論」とも言えるでしょう。

指導者に「不確かなこと」「分からないこと」があっても良いのではないでしょうか。「分からないと正直に言える勇気」と「選手と一緒に解決していこうという気持ち」があれば。

「結果論」でしか語らない指導者の下では、選手も消極的になるように思います。チャレンジ精神に溢れた選手を育てるためにも、私は勇気を持って「俺にも分からん。一緒に答えを探そう!」と選手に言える指導者でありたいと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


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