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【東北高校】我妻監督流 「背番号獲得の3条件」(前編)

2016.6.6


東北高校
School Data
●部長/吾妻誠基 ●コーチ/鈴木雄太
●部員数/3年生32人、2年生32人、1年生37人
1894年創立。野球部は1904年創部。南光学園が運営する男女共学の私立高校で、地元では「ナンコウ」の愛称で知られる。卒業生にはゴルフの宮里藍や、フィギュアスケートの荒川静香、羽生結弦など。春夏甲子園出場40回は東北地区の高校で最多。


昨秋の東北大会で準々決勝進出を果たした東北高校。夏のシード権獲得につながる春のメンバー発表の瞬間を取材した。我妻監督が考える背番号獲得の条件や、晴れて背番号を手にした選手たちの自信に満ちあふれた声を紹介しよう。



「技術力が高いのはもちろん、積極性や勝ちに結びつく学校生活を送る事が重要」


ダルビッシュ有など数多くのプロ野球選手を輩出する名門

メジャーリーガー・ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)ら数多くのプロ野球選手を輩出する東北高校。今年で創部112年を迎える名門だ。甲子園出場は春19回、夏21回。2003年夏はダルビッシュ投手、真壁賢守投手のWエースで全国準優勝をおさめた。

校内には両翼90m、中堅120mの専用球場、積雪の日も打撃練習ができる室内練習場、約40人が生活する野球部専用の合宿所があり、野球に打ち込める環境がそろっている。県外からの入部者も多く、部員数は毎年100人に及ぶ。メンバー争いの厳しさは県内で1,2と言われている。

 そんな東北高校が昨秋、躍動した。県大会で準優勝し、3年ぶりに東北大会に出場。左腕エース・深町耕佑(3年)と右腕・熊谷航(3年)などの好投、粘り強い打撃で準々決勝進出を果たした。センバツ出場は逃したが、各選手が課題に取り組み、弱点克服に注いだ半年間を過ごした。

メンバー入りの条件は、「勝ちに結びつく行動ができる選手」

誰もが手にしたい背番号。我妻監督に20人を選ぶ基準を聞くと「勝ちに結びつく行動ができる選手であること」。

「まず第一に、野球の上手い選手。これは野球部だから当然ですね。走攻守バランスの取れている総合力のある選手はレギュラーになれる可能性が高いです。レギュラーになれなくてもメンバーに入れるのは、一芸を持っている選手。足が速い、守備が上手い、バントが上手いなど。ただしその分野でナンバー1になれないと入れません」。

野球部に入部した時、誰もがレギュラーを目指し日々練習する。しかし、時間がたつにつれ、自分の立ち位置や、実力の差が見えてくる。そんな時、自分の“一芸”を磨いて生き残りの道を拓ける選手でなければいけない。

 一芸とは、技術だけの話ではない。我妻監督は選手の取り組みにも注目している。「チャンスを与えた子が1球目からバットを振れるかとか、初めてマウンドに送った子がしっかりと初球でストライクを取れるかなど、積極性を重視します」。数字に表れない長所を実践演習や練習試合の中でチェックしている。

 さらに「野球以外の部分。赤点を取ったり、生活態度が悪くて補習を受ける選手はダメですね。『やる事をやっていない選手』という証拠ですから」。メンバーに入る選手は、誰からも応援される選手でなければいけない。

「勝ちに結び付く行動とは何か?」を東北高校の選手たちは学校生活の中で、グラウンドで考えて行動している。

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