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【少年野球指導者のひとり言】たかがスパイク、されどスパイク

2016.5.27
私は今のチームで時々打撃投手をしますが、スパイクを履かないと足が滑って投げられません。現役時代からかなり強い体重移動がかかる投げ方なので、アップシューズではその「強い体重移動」を受け止められないからです。投手としては小柄な私が140km/hを超えるボールが投げられていたのは、この「強い体重移動」があったからだと思います。

投手は球速を高めるために「体重移動」を行ないます。足を踏み出した時には踏み出した足で「体重移動」を受け止める訳ですが、スパイクを履いていないと「体重移動」が受け止められず、足が滑ってしまいます。足のスベリは制球力が落ちるだけでなく、場合によっては股関節や膝の故障にも繋がります。

「スパイクなんて履かなくても足は滑らないし、投げられる」という子が居たら、逆に要注意だと思います。その子が速い球を投げる子であれば尚更です。

「十分な体重移動なく速い球を投げる」というのは、腕力に頼って投げている可能性があるため、腕に大きな負担がかかっているかも知れません。腕に頼った投げ方をする選手は将来的に肩肘を故障する確率が上がります。

「たかがスパイク、されどスパイク」

用具には必ず「使う理由」があると思います。「なぜスパイクを履くのか?」「履くとどういう効果があるのか?」だけでなく「履かないことでどんなリスクがあるのか?」も併せて選手には説明していきたいと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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