トレーニング

超回復のメカニズム

2016.5.30
  一度筋線維は損傷し、回復するときにより大きな負荷に耐えられるように筋線維を再生する


 皆さんはトレーニング後に起こる「超回復」というメカニズムを知っていますか。野球の練習やウエイトトレーニング、ランニングなどほとんどのスポーツ動作は筋肉を伸び縮みさせながらさまざまな動作を行っています。これが一定の負荷以上のものがかかってくると筋線維がダメージを受け、筋疲労などから一時的に筋線維に微細損傷(細かいキズのようなもの)が起こります。筋肉はダメージを受けた負荷に対して「今度は負けないように」強い筋線維を再生しようとします。このときに適切な休養と栄養(筋肉の源はたんぱく質)が伴うと、トレーニングを行う以前よりも強い筋肉が形成されます。この現象を超回復とよびます。

 超回復を促すために必要不可欠なものは適切な休養と栄養です。筋肉がダメージを受けてから回復し、さらに強い筋線維が再生されるまでには24~48時間程度(中1日~2日)の休養が必要であるといわれています。個人差があるので一概にはいえませんが、大胸筋や広背筋、大腿四頭筋などに代表されるいわゆる大筋群と呼ばれるものは、その回復に時間がかかり、小さな筋肉(肩のローテーターカフや指伸筋、表情筋など)は比較的早く回復するといわれています。また末端部分に比べて心臓に近く血流が豊富に供給される腹筋群は、より疲労からの回復速度が早いといわれていますが、負荷の程度によっては休養をしっかりとることも必要です。筋肉を伸ばしながらブレーキをかけるような動作(エキセントリック動作)は筋線維の損傷程度が激しくなりやすいので注意が必要です(懸垂の時の上腕部、ローラーなどを使った腹筋運動など)。

 休養を適切にとった場合はトレーニング効果が右肩上がりとなって現れますが、休養が不十分であった場合は逆に右肩下がりとなってしまい、せっかくトレーニングを積み重ねてもどんどん筋力が落ちてしまうことが懸念されます。さらにひどい場合ではパフォーマンスが低下し、オーバートレーニング症候群におちいってしまうこともあります。またトレーニング後に適切な休養をとっていても、栄養面で特にタンパク質が不足している場合は、筋肉のもととなる原料が不十分となり、強い筋線維の再構築がうまく行われません。毎日の食事ではタンパク質を含むバランスの良い食事を心がけ、栄養と休養、トレーニングのバランスを考慮して超回復を促すように計画していきましょう。


  



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