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投動作にみる障害予防から考える機能的な連動性|AMSアスレティックメディカルサイエンスセミナー

2022.12.27

並進運動のカギは軸足にあり



下半身主導の肝は、並進運動にある。この動きが不十分になると、次の回旋運動にもつながっていかない。
「いい投手になればなるほど横向きの時間が長い。右投げであれば、胸を三塁方向に向けたまま、横にステップしている状態です。投げようとすると、本能的に胸が投げたい方向に早く向いてしまいがちですが、それをどれだけ我慢できるか。そのカギを握るのが、軸足の使い方になります」

特に着目するのが、軸足のヒザの使い方だ。
「並進運動に移る際に、軸足で地面をしっかりと踏むことによって、地面からの反力を得ることができます。具体的には、股関節を中心に、膝関節や足首関節で地面に圧をかけていく。このとき、軸足のヒザが捕手方向や三塁方向(右投手)に早く折れる投手は、地面からの力を十分にもらえずに、回旋運動に移ってしまう。これが、体の早い開きにもつながっていきます」
また、ヒザが内側に入ると、お尻が落ちることで投げるほうの肩が下がり、ボールを押し出すようなリリースになりやすい。できるだけ、ヒザを立てた状態で並進運動を行うことが理想となる。
ヒザが内側に入る原因はさまざまあるが、「母指球に乗ろうとしている投手は、内側に倒れやすい」と分析している。
「軸足で立つときは、母指球ではなく、小指球側に重心を感じてみてください。中指、小指の付け根に重心を感じながら立ってみる。この重心バランスから並進運動に入ることで、ヒザが立つ感覚を掴める投手もいます」

立ち方を変えることも、ひとつの方法となる。


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