トレーニング

投動作にみる障害予防から考える機能的な連動性|AMSアスレティックメディカルサイエンスセミナー

2022.12.27

おすすめのトレーニングは伸脚

トレーニングとしておすすめするのが、伸脚だ。体育の授業で当たり前のようにやる体操だが、正しく丁寧にできているかどうか。
「ポイントは、曲げた側の股関節、膝関節、つま先の方向を揃えることです。ここでヒザが内側に入る選手は、ピッチングでも同じことが起きやすい。このとき、かかとを地面から浮かせないことも重要なポイントになります。浮いてしまう選手は、股関節や足首の硬さとともに、膝関節で動きを取っている。体の中心部にある股関節を使って、しゃがみこんでいく動きも、伸脚で身につけることができます」

ひとつの目安として、両足を開いたときに、左右の足首を結ぶようにして真っすぐの線を引いてみる。足を曲げるときに、ヒザがラインよりも前に出る選手は、膝関節主体で動いていることになる。
意識するのは、ラインよりも後ろで尻を動かすこと。股関節を使うことによって、実現できる動きとなる。
伸脚は1畳分のスペースがあれば、いつでもひとりでできるトレーニングだ。
「重たい器具を持ったウエイトトレーニングも大事ですが、その前に股関節を中心にした体の使い方を覚えることが、障害予防につながっていきます。特に、これから体重や筋力が増えていく高校生は、地道なトレーニングをしっかりとやることが重要になります」

シンプルなメニューに、どれだけ丁寧に取り組むことができるか。その積み重ねが、障害予防とともにパフォーマンス向上に結び付いていく。(取材・写真:大利実)



塚原謙太郎

1974年生まれ、東京都出身。東北福祉大〜日本生命と硬式野球を続け、社会人でも5年間プレーを続けたのち、トレーニングの専門学校へ入学しトレーナーの道へ。現在は花咲徳栄高校、健大高崎高校など高校野球部数校のトレーニングサポートや各種セミナーの講師を務めるなど幅広い活動を行っている。


PICK UP!

新着情報