トレーニング

投動作にみる障害予防から考える機能的な連動性|AMSアスレティックメディカルサイエンスセミナー

2022.12.27

AMSアスレティックメディカルサイエンスセミナー2022が12月11日、東京・富士国際ビジネス専門学校で行われ、前身の同校の卒業生である塚原謙太郎トレーナーが登壇した。

塚原さんは、東北福祉大、日本生命で投手としてプレーしたあと、アスレティックトレーナーを目指して、富士アスレティック&ビジネス専門学校(当時)に入学。現役時代、肩やヒジの故障に悩まされたことが、トレーナーの道を志すきっかけとなった。卒業後、健大高崎や花咲徳栄など高校野球部に向けたトレーニング指導をメインに活動し、甲子園で戦える体作りをサポートしている。

セミナーの演題は『投動作にみる障害予防から考える機能的な連動性を考察』。

塚原さんが得意とするのは、障害予防とパフォーマンスアップの両立で、そこにつながる正しい体の使い方を、90分にわたり解説した。一部であるが、そのメソッドを紹介していきたい。


下半身=主導/上半身=始動

そもそも、「投動作」とはどんな動作か。塚原さんは、次のように定義している。
「投擲物(ボール)に“方向”と“スピード”を与え、空中に発射させる運動」

方向がコントロール、スピードが球速となる。どちらにも関わってくるのが、下半身の動きだが、塚原さんは独特の表現を使う。
「下半身が主導で、上半身が始動」
「主」か「始」か。そこに大きな違いがあるという。
「ピッチングは、並進運動と回旋運動の組み合わせによるもので、下半身主導によってエネルギーを生み出すことができます。ただし、ボールを持っているのは手なので、下半身と上半身のタイミングが合わなければ、ボールに方向とスピードを加えることはできなくなります」

この下と上のタイミングを合わせるためには、上半身を先に動かす必要ある。
「振りかぶるにしても、テイクバックにしても、先に手を動かして、“予備動作”を入れていく。『下で投げろ』『下を使え』と言われすぎて、手の動きが遅い投手がいます。そういう投手には、『先に手を動かしなさい』とアドバイスすると、全身が連動してくるようになります」


PICK UP!

新着情報