学校・チーム

【大分舞鶴】「昭和の日」で作り上げた肉体、チームの一体感

2022.12.9

2022年春に悲願の甲子園初出場を果たした大分舞鶴高校。大分県でも屈指の公立進学校でありながら、近年は県大会でも安定して上位に進出。OB選手達も大学のトップレベルで活躍を見せている。急激に力をつけてきた要因を探るべく、グラウンドに足を運んだ。


文武両道と安定した強さ

学校の創立とともに野球部が誕生して71年。大分舞鶴は、2022年春に悲願の甲子園初出場を果たした。

県屈指の公立進学校でもある大分舞鶴は、花園優勝1回、準優勝3回のラグビー部が有名で、野球部といえば、2回戦敗退が当たり前の弱小チームだった。しかし、後に法大へと進学する左腕・益川和馬の出現で状況は一変。2016年秋の8強入りを皮切りに、2017年は春8強、夏4強、秋8強。その後も来秋のドラフト上位候補として期待される常廣羽也斗(青学大)や、新名凌馬(國學院大)ら好投手の出現が相次ぎ、すっかり大分県上位に定着したのだった。



常廣がエースだった2019年には、春4強、秋8強。2020年は夏の独自大会で準優勝し、2021年春にはついに春の大分県を制した。そして、夏、秋には立て続けに準優勝。秋は九州大会で大野稼頭央(ソフトバンク)を擁する大島との初戦が雨天コールドゲームとなり、再試合で3-4と惜敗するも、文武両道を推進しながら安定した強さを発揮し続ける近年の実績が高く評価され、見事21世紀枠で選出される運びとなった。

チームを率いるのは、2020年秋に就任した河室聖司監督だ。投手出身の河室監督は大分上野丘OBで、3年夏は津久見に敗れて準優勝。高校時代に甲子園出場を果たすことはできなかったが、甲子園に王手をかけながら敗れた者の悔しさは骨身にしみている。



「だから、気安く『甲子園』というワードを口に出すことに抵抗がありました。かわりに用いていたのが『県で優勝するぞ』という言葉。2020年の独自大会など、大分舞鶴はあと一歩のところまでは来ていましたが、2021年春に県で優勝したことで間違いなく前進を遂げましたね」


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