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【仙台育英】監督を小説家、自分を編集者に例える「新部長」

2022.6.17

松島町立松島中、利府町立しらかし台中を率いて、4度の全国大会出場。2005年の静岡全中では、しらかし台中を準優勝に導いた中学軟式野球の名将が、定年退職を期にこの春から仙台育英高校の硬式野球部部長に就任。多くの野球関係者を驚かせた、猿橋善宏部長にお話を聞きました。


中学軟式野球の名将が名門校の部長に

2022年4月1日、仙台育英高校の須江航監督のフェイスブックに、「新部長就任」のお知らせが写真付きで投稿された。
「23歳で出会い16年目の春2022年4月1日。本校硬式野球部の部長にご着任いただきました。東北地方100年の歴史を変えるパートナーとして、共に日本一を目指します」

須江監督の隣に写っていたのは、猿橋善宏先生。この発表に、周囲はざわついた。特に驚いたのが、中学軟式野球の関係者だ。なぜなら、中学校野球の指導者として数々の実績を残していたからだ。松島町立松島中、利府町立しらかし台中を率いて、4度の全国大会出場。2005年の静岡全中では、しらかし台中を準優勝に導いた。

松島中に異動後、2016夏には宮城大会の決勝に勝ち進み、圧倒的な強さを見せていた仙台育英秀光中に2対1で勝利。このとき、秀光中を率いていたのが、現在は高校の監督を務める須江監督である。
「地方の公立であっても、目標と目的を明確に掲げ、日々考えて練習を行い、知性を育むことで、私立と対等に戦うことができる。『やればできる』を実体験できるのが、部活動の優れたところ」

この考えのもと、豊富な戦力を誇る私立を脅かすチームを作り上げていた。2020年5月には『部活はそんなに悪者なのか⁉ 脱ブラック部活! 現役教師の挑戦』(インプレス)を出版。部活動の教育的価値を説き、話題を呼んだ。

2022年3月末をもって、公立中学校の教員を定年退職することが決まっていた。次のステージは、どの道に進むのか。NPO法人を立ち上げて子どもたちに野球を教えることや、指導者に対するコーチングなどを考えていたが、須江監督からの熱烈なオァーを受けて、仙台育英学園への就職が決まった。


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