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準硬式全国大会は岡山であす10日開幕!/コロナ禍の運営と工夫

2021.8.9

大学準硬式のチャンピオンシップ、文部科学大臣杯「第73回全日本大学準硬式野球選手権大会」が8月10日、岡山・倉敷マスカットスタジアムで開幕する。コロナ禍で2年ぶりの開催となる全国大会。金属バットと準硬式球を使って行う「もう一つの野球」を、野球ファン、そして夏の地方大会を終えて進路に悩む高校生たちにもぜひ注目して欲しい。


明日から開催!準硬式全国大会の見所は?

楽天キャンプ地のマスカットスタジアムが舞台

全国282チーム、約1万1千人の大学生が競技を行っている準硬式野球。その日本一を決める戦いが2年ぶりに帰ってきた。決戦の舞台は岡山だ。

県名産のブドウにちなんでつけられたマスカットスタジアムは両翼99.5m、中堅122m。国内最大級のグラウンド面積を誇る外野天然芝の屋外球場だ。東北楽天ゴールデンイーグルスが秋季キャンプで使用するほか、社会人野球・JABA岡山大会、大学硬式・中国六大学リーグ、夏の高校野球岡山大会のメイン会場になっている。大会は同球場をメインに、補助球場、倉敷市営球場の3会場で6日間開催。決勝戦は15日、10時開始予定。入場無料で、連盟ホームページのガイドラインを遵守して来場することが義務付けられている。


メイン会場は倉敷・マスカットスタジアム。外野天然芝が特徴の素晴らしい屋外球場が選手たちを迎える。

実力の大経大、中京大、中央大。高校軟式V腕擁する同志社大も注目!

1回戦屈指の好カードは九州産業大―法政大だ。リーグ優勝校の法政大は予選会で鈴木歩夢(2年・明星)がサヨナラHRを打ち強豪・日本大を撃破。西村勇輝(4年・日本文理)、石橋錬(4年・遊学館)の2本柱と勝負強さに定評がある。九州産業大は過去5大会で3度の準優勝を修めた実力校。エース恵良大輝(4年・古賀竟成館)がロースコアの試合に持ち込んで勝機を狙う。

リーグ3位から予選会を勝ち抜き、8年ぶり18回目出場を決めた専修大は接戦を制する粘り強さが武器だ。3番武内公佑(4年・常総学院)、4番大平裕人(2年・札幌第一)、5番三浦翔(3年・専大松戸)らが繋ぐ打撃に徹し確実に得点する。強豪校で揉まれた藤田修(1年・浦和学院)、栗原怜磨(1年・東海大菅生)の新戦力が加わり充実の戦力で頂点を狙う。

西の注目校は2校だ。同志社大は高校時代に軟式全国大会で2連覇した佐伯奨哉(3年・中京)に注目が集まる。佐伯は高校2年夏、3年夏で全国制覇。2大会全8試合完封は史上初の快挙となった。140キロ前半の直球を軸に、スライダー、フォーク、ツーシームなど多彩な変化球を操る。関西地区リーグのMVPに輝いた実力は折り紙付きだ。

その同志社大に延長10回5-4でサヨナラ勝ちし、リーグ優勝したのが大阪経済大だ。上位から下位まで強打者がそろう。関西NO・1と言われるチーム打率4割3分7厘の強打線で全国に乗り込む。

全国最多12回の優勝を誇る中央大は、甲子園出場経験のある近野佑樹(3年・浦和学院)、石井竜弥(2年・浦和学院)が最少失点に抑え確実に1点を取る野球が身上。強化合宿で最終調整を行い、2016年以来遠ざかっている日本一に照準を合わせる。

東北学院大はリーグ戦8戦全勝で優勝。高打率を残したのは嶋田友(2年・浦和学院)、後藤雅輝(4年・山形中央)、加藤和(4年・東北)。伝統校に恥じない戦力を備え63年ぶり優勝を狙う。

昨年プロを輩出した福岡大は中島拓朗(4年・佐賀北)、西山侑氷(3年・都城西)のWエースを柱に細かくつなぐ野球で勝つ。昨年のエース大曲錬(西武ライオンズ・投手)のような逸材はいないがチームワークで上位進出を目指す。


国立大の岡山大学は6年ぶりの出場に燃える。目標は「全国大会で一泡吹かせる!」。

地元からは岡山大が6年ぶり出場!主力選手がアプリで体調管理

地元開催枠で出場するのは国立の岡山大だ。3番西椋生(2年・向陽)はリーグ2位の打率5割3分3厘を残した強打者。右の技巧派エース吉原加啓瑠(2年・勝山)らメンバー25人中8人が岡山出身。高校野球の聖地マスカットスタジアムで1戦必勝を目標に掲げる。初戦の相手は中央大。西は「強い相手なので、機動力を使って揺さぶるしかない」と秘策を語る。

準硬式の大会運営は学生主体で行われる。中国地区代表幹事として運営にも尽力する西は、出場24校全選手の健康状態を専用ソフトで管理。大会ガイドラインに沿って感染対策を徹底、注意を促している。岡山での開催に際して「マスカットスタジアムはプロ野球も開催される立派な球場。球速表示もあります。有観客試合ですので、ぜひ地元の高校生にも見に来ていただき、準硬式のボールの違いや迫力を体感して欲しい」とPRする。主力選手が裏方を兼ねるのも準硬式の姿だ。

試合速報は「一球速報」を使って学生がリアルタイムで配信作業を行い、現地観戦できないリモート応援組に情報を届ける。各大学のマネージャーも、ツイッターやInstagramなどのSNS発信を積極的に行う予定。嗜好を凝らした学生たちの感性にも注目して欲しい。

2年ぶりの頂上決戦。Timely!では公式ツイッターにて大会の様子を配信する予定だ。学生たちの熱い戦いと、コロナ禍の運営工夫。それぞれの場所から応援していただきたい。

(文・樫本ゆき)

◆全日本大学準硬式野球連盟
JBA 全日本大学準硬式野球連盟

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