企画

社長になった「球児」に会いにいく|米沢谷友広(秋田商業出身)グローバルポーターズ株式会社代表(3)

2020.9.17

欲しいのは「自分にない考え」を持った人材



ーー社員の皆さんはやっぱり全員野球が好きなんですか?
全員好きですね。軟式野球やソフトボールをやってたり、野球をやってないけどグローブが大好きな社員とか。

ーーグローブを製造販売するだけなく再生などもやられているんですね。
はい、学生層が使うグローブは上質な革で作られているので、ちゃんとメンテナンスや修理をしていれば長く使えます。再生(Re-Birth)をキーワードにして野球界に貢献できるように進めています。他にも新しいサービスで「思い出リメイク」という、(思い入れのあるグローブやユニフォームなどを)インテリアとしてリビングや玄関に飾るということも訴求しています。インテリアとしてグローブが飾られていたりすると、「野球のある日常」とか「見える思い出」になって、新しい価値をつくれるような気がしています。

ーー米沢谷さんのお話をここまで聞いて「ここで将来働きたい!」と思った高校生もいると思います。米沢谷さんが人を採用する際に一番求めることはなんでしょうか?
私にない考えを持っている人ですね。お客様に対して何か新しいサービスや商品を発信していける、提案力をもってビジネスを創造していける、そういう仲間を採用したいですね。結局、面接で聞くのもそこなんですよね。
「うちの会社に入って何をやりたいんですか?」って聞くんですけど、野球用品を作りたいとか、プロ野球団と仕事がしたいとか、スクールで野球人口を増やしたいとか、Re-Birthでグラブを再生したいですとか、職人として技術を学びたいですとか、よく言われるのですが、それは今やってますからね。事業をエクスパンション(拡大)するフェーズではそういう方々も沢山採用することもあると思いますが、今はそうではなくて、小さくても良いから色んな選手や野球に関わる人たちに喜んでもらえるような商品やサービスを増やしていきたいと考えているので、私にない発想でそういうビジネスを企画して提案できる、実行できる、そういう情熱のある方を仲間に入れたいなと思いますね。


今も夢に出る、秋田商業の投球練習

ーー今の自分を支えている、一番大きかった経験は何かありますか?
思い出すのは高校の時の投球練習ですね。秋田商業の小野先生は「アウトローでいつでもストライクを取れるピッチャーじゃないとベンチに入れない」という考えでしたので、投球練習ではずっとアウトローに投げ続ける練習をしていましたね。あと、どんなシチュエーションであっても複数の変化球でアウトローでストライクが取れる。キャッチャーがずっとアウトローに構えて投げるんですけど。今でも夢で見ることがありますね(笑)。
一つのことを集中してやり続ける、できるまでやり続けるというのはビジネスでも同じだと思います。やり続けていけば必ず突破していけるんじゃないかなと思いますね。

ーーこの資格、このスキルがあって助かった、役に立っているというものはありますか?
それはもう簿記ですね。商売も経営もそうだと思うんですが原価計算から入って、お客様に提供したいプライスがあったときに、基本的にはその差分(利幅)の中で、お客様に伝える努力をしますよね。例えばTimely!に宣伝広告費を払うとか、人を増やすとか、そういう経費を計算しながら最終いくら利益が出るとか、その利益を次は何に再投資するかとか、高校の時に学んだ簿記が私のビジネスの基礎になっていますね。Amazonでも役に立ったのも、英語よりも断然簿記の方でしたね。数字をみて考えて判断する力はファンダメンタル(基礎能力)だと思っています。

ーー高校時代にああしておけばよかった、こうしておけばよかったと思うことはありますか?
もっと本を読んでおけばよかったと思います。自分が日常購入したり、サービスを受けたりする会社の経営者が書いている本を読むだけで世の中のことを少しだけ深く知れて、進学や就職に対する考えや納得感が深まったと思いますし、自分が好きなことや興味があること、仕事にしたいことがもう少し早く見つかったかなと感じています。


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