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社長になった「球児」に会いにいく|米沢谷友広(秋田商業出身)グローバルポーターズ株式会社代表(3)

2020.9.17

高校時代に見つけて欲しい、好きなこと

ーーもしも今の自分が「高校3年の自分」に何か一言だけ言えるとしたら何と言いますか?
「野球を続けてほしい」というのと「(甲子園の)メンバー外れた悔しさを忘れるなよ」と伝えたいですね。その悔しさがあったから燃え尽きていないというか、今の自分があるとも感じていますから。

ーー野球を辞めてしまったことに後悔があるわけですね。
そうですね。プレーヤーとして高校までの野球しか知らないというのと、肩を壊して辞めてしまったんですけど、大学でトレーニングをして土台の部分をしっかり鍛えればコンスタントに140キロ以上投げられたのかもしれないとか、そしたらその先どうなっていたかなとか......
プレーヤーとしてもう少し野球を続けた方が良かったなとは思いますね。自分がどこまでやれるのかを知れなかった、最後までやり切ることができなかったという後悔ですね。もっとたくさんの野球仲間とも出逢えたでしょうし。

ーー将来社長になりたい、野球に絡んだ起業をしたいと思っている高校生は今のうちに何をしておくといいですか?
好きなこと、やり切りたいなと思うことを見つけてほしいですね。そのためにも見聞を広げてほしいと思います。本を読むのも、引退後にアルバイトするのも、旅行するのも良い。「これかも?」というのを見つけられたらぜひ極めてほしいですよね。1つのことで1番になることは難しいかもしれませんが、誰もやっていないことを始めたり、マーケットをセグメントするなり、〇〇×〇〇の領域で考えればトップになることは可能だと思います。敢えて極端な話をすると、絶対切れないグラブ紐(革紐)を創るとか、0歳~1歳に適した野球用品のマーケットを考えるとか、75歳以上の野球経験者×健康増進、野球後進国の言語×野球スクールとか。かなりニッチかもしれませんけど(笑)。これからの時代は「好きなこと×トップクラスに秀でた能力」を創っていくことが価値になると思いますので、周りに「マニアック!」と言われるかもしれませんが、調べ尽くして行動していってほしいですね。

ーーあとは商業高校の子だったら簿記をちゃんと学んでおきなさいということですかね?
それは間違いないと思います。社長になるんだったらMust haveです。

ーー高校球児の先輩として、現役の球児たちにメッセージをお願いします。
今人生の道半ばに差し掛かっているのですが、「高校野球をやってました」ということでこれまでの人生で相当得をしてきた気がします。会社に入ってからもそうですし、友達付き合いもそうですし、野球を通じて沢山の人と出会えて仲良くなったのは人生にプラスになっています。野球をやっていた人たちって、1つのことを真面目に突き詰めた経験だったり、一投一打への集中力だったり、礼儀正しいとか声の張りが良いとか風邪をひきづらいとか、そういうものって実は社会やビジネスですごく大切にされています。野球をやってきたことを誇りに、これからの人生を歩んでほしいと思います。
(取材・構成/永松欣也)

▼プロフィール

米沢谷友広(秋田商業出身)
神奈川大学を経てスポーツ小売業大手ゼビオ株式会社に入社。経営企画室でスポーツ事業に関わる広報活動やスポンサード、新規事業開発、M&A等の投資関連業務に従事。プロ野球独立リーグやJリーグ、アイスホッケークラブ等の運営にも関わり、スポーツ小売やスポンサーサイドからみたクラブチーム経営に携わる。その間、カリフォルニア大学にてアントレプレナーシップやビジネスインキュベーション、コーポレートファイナンス単位を取得。その後はAmazon Japanにてスポーツ&アウトドア事業部の商品戦略部統括部長などを歴任し、2017年に現在の会社グローバルポーターズ株式会社(https://www.global-porters.com)を起業。トータルベースボールカンパニー構想の実現を目指して野球界の発展に努めている。

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