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【天理】選手の力を引き出すための練習メニュー

2020.3.11

この春、5年ぶり24度目のセンバツ出場を決めた天理高校の練習レポート。実は昨秋公式戦で放った本塁打数が20本と出場32校の中で最も多い。パワーヒッターが揃う強力打線を作り出すには冬場から相当な振り込みを行っているのではと思われがちですが、それはこちら側の勝手な想像に過ぎませんでした。


雨だからこそやれる練習がある

「センバツ出場が決まって、本来なら例年より実戦練習を前倒しにしたいところなのですが、その先にある夏を見据えると体作りも大事。今の時期は1日でも長くトレーニングをやりたいので、センバツから逆算すると2月の半ばまではトレーニング中心でした。半ば以降からシート打撃なども入れながら、徐々に実戦形式の練習を増やしていきます」。

監督に就任して今夏で丸5年となる中村良二監督は、周囲にとらわれず、とにかく選手の力を引き出すための練習メニューを常に考えている。取材に訪れた日は午後から本降りの雨で、グラウンドでの練習ができなかった。そのため選手らは15時半ごろに授業を終えると学校から自転車で約10分のところにある野球部専用の寮に戻り、寮に隣接する室内練習場での練習が始まった。



「冬場は日によって練習メニューが変わります。1日振り込む日もあれば守備練習が多めの日もあります。今日は雨なので、室内練習場でアップをしてから野手は守備の基礎練習をして、チームを2班に分けてスイングとトレーニングを入れ替えながらやります。投手陣はグラウンドに移動して(横にあるブルペンで)ピッチングです。ピッチャーは疲労を考慮してトレーニングを後にして先にピッチング、という感じです」。



中村監督は「雨だから○○ができない、ではなく雨だからこそやれる練習がある」とよく選手に話すという。天気の良い時はグラウンドでバッティングやノックができるが、その元の基礎になる捕球する動作やバットを振る動作を、雨で室内練習場しか練習ができない時こそしっかり見直して練習しようと語りかけているのだ。
「彼らからすると雨の日の練習は面白くないかもしれませんが、自分のスイングや取り方投げ方を見直すのが雨の日だと思っています。夏や秋の大会前や大会中の雨の日以外は、基本的に室内練習場での練習は基礎練習がほとんどですね」。



この日も室内練習場ではノックではなく2人が一組になり転がったボールを捕球する練習を繰り返していた。その後、野手陣は素振りを300スイング行う。まず、最初の100スイングは早振りをし、あとの200スイングは自分のペースでスイングをするなど振り方にも変化を作る。早振りはスイング力や体のキレを作り、ボディバランスを養えることが利点としている。


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