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【少年野球指導者のひとり言】試合中の“スマイル”

2015.10.2
 少年野球指導者のひとり言は、「野球経験者ではないのに少年野球チームのコーチになってしまった」という方をサポートするために作ったコラムです。詳細な技術論よりも「野球の指導者としての考え方」「未経験者でも分かる野球の見方」「野球選手から見えるプレーの見え方」「子どもとの接し方」を中心にご紹介させて頂きます。


■試合中の“スマイル”

高校野球の監督が甲子園で「●●スマイル」と形容され、選手をリラックスさせる手法としてマスコミまでもが有益かのようにテレビに映して賞賛する。敢えて苦言を呈しますが、大事なのは「表面的なスマイルという行為」ではなく、「スマイルの奥に何を秘めるか?」という内面的なモノの方が大事だと思います。

今時の子どもたちは、本当に大人のことをよく見ています。「意思を込めない形だけのスマイル」は、子どもを混乱させたり、試合への集中力を削ぐだけで、かえって逆効果です。
スマイルにどんな意思を込めるべきか?私は「選手に対する期待」だと思います。

何かに期待する人はしかめっ面はしません。選手に「期待してるぞ!」ということを伝えるために
「お前なら打てる(^o^)」
「まだ逆転できる(^o^)」
と本気で信じて声をかけます。バカみたいですが自分が本気で信じないと、上辺だけのスマイルであることを子どもたちに悟られます。

逆に「期待している」ということを伝えるためには「スマイル」ではない方が良い場面もあります。
子どもは
「何かを始める→期待される」
「何かをやり遂げる→誉められる」
これらの繰り返しによって、「結果への執着」や「努力の大切さ」を学んでいくと私は信じています。
指導者は「野球の上手さ」よりも「選手と真剣に向かい合う」ことで、子どもたちの心を掴めると思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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