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【熊本工業】山口翔「甲子園は勝って出場するところ」

2017.7.5
熊本工業エース・山口翔投手
山口 翔(やまぐち しょう)3年 181cm/76kg 右投/右打

今春の甲子園で「世代最速」として注目を集めたエース・山口翔投手。「いいところがなかった」と初戦で涙を飲んだ山口投手は、その後の九州大会を経てスピード、キレともますますアップ。期待とエースナンバーを一身に背負う右腕が勝負の夏を前に口を開く。


甲子園は勝って出場するところ

――球速がいよいよ150キロを超えてきたそうですね。
「はい。6月の福岡大大濠との練習試合で150キロを記録しました。投げた瞬間に手応えはありました。三浦銀二投手との投げ合いで気合いも乗っていましたからね」

――その三浦投手との投げ合いは“九州ナンバーワン右腕”と騒がれ、多くの注目を集めました。実際に投げ合ってみて、三浦投手にはどのような印象を抱きましたか?
「走者を置くと力みから制球ミスに繋がり、自分の投球を見失うのが自分の欠点なのですが、三浦君にはそういった姿がいっさい見られませんでした。試合はお互いに完投して2-5で敗れたのですが、三浦君には自分に持っていないものをすべて見せつけられた感じがしました。夏を前にいいお手本をいただいたと思っています」

――県内には左右の違いこそあれ、最速148キロ左腕の川端健斗投手(秀岳館)もいます。
「向こうはどう思っているかはわかりませんが、正直ライバル視しています。川端君には自分にない角度と制球力があり、そのうえ球速も速くなってきている。常に気にしている存在です」

――今現在、夏に向けて重点的に強化していることを教えてください。
「6月に入って週末の連投をテストしています。昨年よりも疲労が残らなくなりました。試合の中では常にベストの球を投げることを意識しています。また、カーブやスプリット、ツーシーム系の球などの打者の目線を動かす球の習得にも全力を挙げているところです」

――この春、甲子園では智弁学園の打線を相手に課題の制球難が顔を覗かせ8四球、被安打11、9失点(自責5)。初戦敗退という結果に終わりました。
「たしかに今に繋がる課題を突き付けられたのは事実ですが、あれだけ大きな舞台で投げることが自体が初めてだったので、その経験は大きな収穫になりました。もちろん結果は悔しいです。その悔しさは、夏に晴らすしかありません」

――いよいよ勝負の夏が目前です。最後の大一番に向けて、ひとことお願いします。
「入学以降、一度も優勝することなくここまで来てしまいました。昨年秋も県で準優勝、九州大会でベスト4。その結果によってセンバツに出場することはできたのですが、やはり甲子園は勝って出場するところだと、あの場で思い知らされました。最後は全力を出し切って、悔いの残らない夏にしたいです。最後は勝って笑って、甲子園に戻りたいです」

――エースとして、チームメイトへのメッセージをお願いします。
「ずっと一緒にやってきた3年生の思いをしっかりと背負ってマウンドに立ちます。ベンチもスタンドも一体になって『みんなで戦うぞ、みんなで勝つぞ!』と。それだけは伝えたいですね」

(取材・写真:加来慶祐)

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