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【明石商業】狭間監督が惜しまない「勝つ確率を1%上げるための労力」(後篇)

2017.6.28

鋭い眼差しで選手たちを見守る狭間善徳監督

昨年の選抜、春夏通じて初の甲子園出場を果たし、バッテリーを中心とした鉄壁の守備力で失点を防ぎベスト4に進出した明石商業。一躍全国クラスの強豪に躍り出たチームを率いる狭間善徳監督に、夏に向けての取り組みや練習に対する考えなどを伺った、今回はその後篇をお届けする。


9イニングの攻防の中で最も勝つ確率の高い選択をする、これは甲子園通算48勝を誇る明徳義塾の馬淵史郎監督から学んだところが大きい。

その豊富な知識を活かして毎年、狭間監督には組み合わせ決定から大会終了まで大仕事が待っている。空き時間のほぼ全て、どころか時には睡眠時間を削ってでもビデオを見返し対戦相手を隅々まで研究する

兵庫の出場校数は160校を超えるが春季大会の地区大会の時点で、全ブロックに偵察部隊を送り込みビデオは撮影済み。初対戦のチームでも相手のカラーは頭に入れて試合に臨む

しかもデータ量が半端ない。誰が要注意打者で相手エースの持ち球は何か、おそらくほとんどの指導者はこの辺りで分析を終えるが、狭間監督は打者の打球方向や振ることが多い球と見逃すことが多い球は何か、投手ならこの球の後にはこの球が多いなどの配球の傾向や牽制を2回した後ならもう来ないといったクセまで徹底的に調べ上げる。

活かせるかどうかは実際の試合になってみないとわからないが、もちろんこれも引き出しの多さを増やすためだ。勝つ確率を1%上げるための労力が並大抵のものではない

バッティング練習に取り組む明石所業の選手たち

この夏の戦い方で秋、来年の夏が決まるんちゃうかなってずっと言い続けてる。この夏をしっかり戦えないのに2年生のチームやからとか、来年100回大会で東西分かれるからとか言ってるとこは勝たないと思うで。やっぱり今やらんかったらいつやんねんじゃないけど、今をどうやって練習していくかの積み重ねが夏にも秋にも来年の夏にも、もっと言えば野球を上がった後の人生にも生きてくるんちゃうかな」

守備練習に取り組む明石商業の選手達

入部直後に1年生が行うのは大声でのあいさつと足を揃えてのランニング。それが約1ヶ月続き、高校で最初の中間テストが終わると同時に強化練習期間がスタートする。練習が終わるのは夜10時。毎日ヘロヘロになるまで追い込んだ。豊富な練習量と他を圧倒する徹底した準備、明石商業の強さの秘訣はこれであり、ここで鍛えた心身は必ずやこの先の人生で役に立つ。

監督プロフィール

狭間善徳(はざまよしのり)

1964512日生まれ。明石南高校から日本体育大学。明徳義塾中学軟式野球部の監督として4度の日本一に輝く。2006年に明石商業のコーチとなり2007年から監督。昨年の選抜では甲子園初出場でベスト4入りを果たした。

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