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【少年野球指導者のひとり言】『やればできる』の使い方

2016.9.22

「『やればできる』は魔法の合言葉〜♪」

これ、私の地元である愛媛にある野球強豪校の校歌に含まれるフレーズです。「やればできる」は、我々が子供の頃からよく耳にするフレーズなのですが、私はこの言葉は使い方がとても重要だと思います。私がこの言葉の使い方として重要だと思うポイントは2つあります。

①「やればできる」の後に続く言葉が大事
「●●くんはやればできるんだよ。」と会話の一番最後に持ってきてしまうと、これは奮起を促す言葉ではなく「単なる気休め」になってしまいます。出来もしないことを無責任に「やればできる」なんて言い切ってしまうと、場合によっては「できない事実」に一生気付かないかもしれないのです。

できるかできないか不確かなことに躊躇している子の背中を押すために「やればできる」と声をかけるなら、「だからやってみようよ。」という言葉を添えて、実際に行動を促すべきだと思います。「できない」という結論を先延ばしにしても良いことは何もありません。できなければ「できないという事実」を受け止めて、また努力すればいいのです。

②「やればできる」は本人が使ってはいけない
「俺、やればできるから」という人が大人でもたまにいます。そういう大人を目の前にすると、「だったらやれよ」と言いたくなってしまいます。子どもも「やればできる」とか「まだ本気だしていない」とかいう子は結構います。そういう子って「やってできなかった時」「本気出して結果が出なかった時」を恐れて、先延ばしにしている場合もあります。やはりそういう場合も「だったら(本気で)やってみようよ」と行動を促すべきだと思います。

「やってみたら出来た」は収穫です。しかし「やっても出来なかった」としても「今はできないことがわかった」という点ではこれも立派な収穫です。

曖昧なことをわからないまま先送りにするよりも、はっきりさせて事実を受け止め、能力を高めるための努力の時間に充てた方がよほど有益だと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  



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