連合チームとして築いた深い絆
埼玉県唯一の連合チームには五人の三年生がいる。チームを引っ張る彼らに話を聞いてみた。主将を務める上尾鷹の台高校の穂積由綺人(以下、穂積)と上尾橘高校の田山翼哉、岡名智哉、野村大樹(以下、田山、岡名、野村)。
――連合チームを組んだときの心境はどうでしたか?
穂積 初めて組んだときはお互い微妙な雰囲気だった気がします。
野村 一年のときだっけ?
岡名 そうだね。初めは各学校のメンバーで固まってしまうことが多かったけど、時間が経つにつれ、自然と仲良くなっていった感じだよね。
穂積 やっぱり練習を重ねていくうちに、お互いのことを理解できるようになったと思う。
田山 上尾鷹の台の穂積と、僕ら上尾橘の3年生は実は3年間ずっと一緒に連合チームを組んだ仲だからね。
野村 野球以外にもプライベートの話もするしね。ほら、彼女の話とか…
一同 えっ!?
野村 ま、残念ながらみんないないんだけどね…。
一同 爆笑
――田山君と岡名君は高校から野球を始めたって監督さんから聞いたけど、始めたきっかけはなんでしょうか?
田山 単純に野球って楽しそうだなと思ったのがきっかけですね。
岡名 僕は、高校に入ったらなにか新しいことを始めたいという気持ちで野球部に入りました。
田山 でも、予想以上に練習がキツかった。最初はもう少しできるかなって正直思っていましたね。
野村 自分はずっと二人と一緒に練習してきましたけど、本当に二人は上手くなったと思います。
――連合チームで良かったなと思う点はありますか?
穂積 普段一緒にいるわけではないので、練習で指示を出すときは、なるべく相手にわかりやすく伝えるように気をつけていました。この環境だからこそ、コミュニケーションの大切さを学びましたね。
野村 僕は単純にやっぱり人がいるっていいなと思いました。少ないと話のネタもすぐ尽きちゃうし。みんなでワイワイ野球するのはやっぱり楽しいです。
岡名 他校の生徒と仲良くなれるのは貴重な経験でした。
選手を影で支えるマネージャーの存在
四校連合チームには部員の他に、四名のマネージャーが在籍する。上尾鷹の台3人、岩槻北陵1人。上尾鷹の台高校の三年生マネージャー渡辺舞花さん、新井榛名さん(以下、渡辺、新井)の二人に話を聞いてみた。
――連合チームならではのマネージャー業などはありますか?
渡辺 一般的な野球部のマネージャー業の他にもいろいろな経験ができたと思います。
新井 例えば、バッティング練習のときにマシンにボールを入れることや、外野でボール拾いとか。
渡辺 こんなにグラウンドに入れるマネージャーは他の学校にいないと思います。
――大変だと思ったときはどんな時ですか?
新井 やっぱり人数が少ないので、グラウンド整備が大変です。
渡辺 マネージャーだけで全面トンボを掛けたこともあります。あのときはけっこう辛かったですね。
新井 雨が降った次の日は、外野を鉄のトンボでひたすら掛けました。
渡辺 選手にはできるだけ多く練習できる時間を作ってあげたいと思っているので、私たちのやれることは、できる限りやろうと思っていました。
――連合チームのマネージャーで良かったなと思うことはありますか?
渡辺 連合を組んだ他校のマネージャーと仲良くなれるし、部員が少ないので選手との関係も自然と近くなり、コミュニケーションが多くとれたのは良かったです。
新井 合同練習の時は選手だけでなく、私たちも他校のマネージャーと一緒に仕事できるので楽しいです。