学校・チーム

【高校野球白書】知られざる四校連合チームの夏物語 第三章

2016.7.30

運命の試合。チャンスであと一本が出ず…

わずかな準備期間を経て、来たる7月12日。3年生にとって最後の戦いが始まった。

四校連合チームの初戦の相手は草加東高校。試合は序盤、先発した松本昴也(2年)が相手打線を封じ込め拮抗した投手戦となる。守備でも好プレーを連発し、互角の戦いを演じる。

しかし、中盤以降草加東打線が繋がりをみせ始め、コンスタントに得点を重ねる。四校連合チームは再三チャンスを作るも、あと一本が出ず試合は0
7(8回コールド)で敗戦。

主将穂積由綺人(以下、穂積)をはじめとした、3年生の最後の戦いはこうして幕を閉じた。

試合前の円陣。ムード―メーカーの野村大樹を中心に気合いを入れる。


3年間で築いた大切な友情

試合後、3年生5人に四校連合チームとして戦った3年間を振り返ってもらった。


穂積 「あっという間の3年間だったけど、みんなと楽しく野球が出来て本当に充実していました。高校から野球を始めた部員もいて、最初は教えるのが大変だったけど、助け合いながらみんなで成長できたと思います。後輩たちは少ない人数の中、一生懸命僕についてきてくれて本当に感謝しています。彼らには連合チームだからといって弱気にならず、自信を持ってプレーしてほしいと思います。」






岡名智哉 「試合に負けて悔しかったけど、この借りは後輩たちが必ず返してくれると信じています。僕は、高校から野球を始めて3年間で大変なこともあったけど、この仲間と野球ができたことは一生の宝物です。」








田山翼哉 「野球部のみんなに会えて、人生が変わりましたね。苦労したこともあったけど、みんなで声を掛けあいながら助け合って3年間を乗り越えることができました。またいつかこのメンバーで野球がやりたいです。」








西田健斗 「高校から野球を始めた僕をみんなが引っ張ってくれて、励ましてくれて本当に嬉しかったです。時にはケンカもするけど、最高の仲間ができましたね。野球をやって本当に良かったと思っています。」








野村大樹 「入部したての頃、自分勝手なことをしてチームメイトに迷惑を掛けてしまったんですけど、みんなのおかげで徐々に変わることができました。野球にも真剣に向き合えるようになったのは、この仲間がいたからこそだと思います。」








観るものに勇気を与える戦い

保護者や野球部OB、吹奏楽部や写真部も駆けつけ、当日は必死に連合チームのことを応援した。グラウンドだけではなく、アルプススタンドでも学校の垣根をこえた一体感があったのだ。

涙あり、笑いあり、そしてかけがえのない絆あり。個性溢れる3年生の5人と、彼らを支え続けたマネージャーの2人。様々な困難を乗り越えた7人の必死に戦う姿は、きっと多くの人の心に響いたに違いない。


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