トレーニング

好走塁と紙一重のスライディング。ケガのリスクを頭に入れてチャレンジしよう

2016.5.9
  捕手に向かって突進する走塁や、走者の進塁を妨害するブロックは重大なケガを引き起こしやすい


 白熱した試合で間一髪セーフかアウトかというタイミングの時、走者はよくスライディングを試みます。これは走ってきたスピードを落とさずに目的の塁までたどりつくための手段として取り入れられ、相手のタッチをかいくぐってアウトになることを避ける目的もあります。しかしスライディングはケースによっては大きなケガにつながることもあるため、十分に注意する必要があります。また2016年より日本野球機構(NPB)では捕手が走者の進塁を妨害するブロックは禁止され、接触による重大なケガを事前に防ぐことになりました。

 一番よく見られるものはファーストベースへのヘッドスライディングです。審判は、野手が捕球したタイミングと走者がベースを踏んだタイミングを音で判断していることが多いといわれていますが、ヘッドスライディングをするとベースとの接触が駆け抜けたときよりもわかりにくく、審判の判断を惑わす一因ともなります。ヘッドスライディングを行うと固定ベースとの距離があわずに起こる突き指や肩の脱臼、野手との接触プレーによる頸部や頭部へのケガなどのリスクが高まります。また塁間のスピードは駆け抜けた場合に比べてヘッドスライディングのほうが落ちるという意見もあり、不要なケガを避けるためにも固定ベースに向かってのヘッドスライディングは極力避けたほうがよいと言えるでしょう。

 足から滑るスライディングはヘッドスライディングに比べるとケガのリスクはやや少ないと考えられますが、それでもベースとの距離とがうまくあわずに固定ベースに滑り込んでしまうと、その衝撃から足関節の捻挫や骨折、膝関節の靱帯損傷や太もも、臀部のケガなどが起こります。また地面に手をついた際に、手首の捻挫を起こすこともあります。このようなケガを予防するためには、普段の練習からスライディングを繰り返し練習して、自分の走塁スピードを確認し、ベースとの距離感をつかむことが大切になってきます。次の塁を狙うための積極的なランニングの技術として行われているスライディングですが、ケガをするリスクも高まりますので、正しい技術を習得し、必要な場面において行うようにしましょう。


  



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