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【少年野球指導者のひとり言】考える → 決断する

2016.4.8
野球は「状況判断」がとても大事なスポーツです。刻々と変わる状況を読み取り、状況に応じた判断に沿ってプレーをすることで、良い結果を導きだし、最悪の状態を回避します。

その状況判断を促す時に「考えろ!」という言葉で思考を促す指導者は多いのですが、私は「考えろ!」という言葉は使わないようにしています。何故なら「考える」とは「決断する」ためのプロセスであり、大切なことは「決断する」ことだからです。

職場でもそうですが「考える」という言葉はとても都合の良い言葉です。例えば部下が「考えます」と言った時に、「考えるな!」という上司はほとんど居ません。熟考することは悪いことではないのですが、時にこの「考えます」は単なる時間稼ぎに使われることが多々あります。日本のビジネスパーソンの中には「考えるけど結論を出さない」という人がたくさん居ます。

しかし野球は「考えます」という時間稼ぎは通用しません。内野手がゴロをさばいた時、「どこに投げるか考えます」何て言っていると、その間にランナーはどんどん進んでいきます。間違いだろうが何だろうが、まずは決断しなければなりません。

だから選手には「どうしたい?」「どうすべきだと思う?」「今すぐにできることは?」「今やらなければならないことは?」など、決断を促すような言葉をかけるように心がけています。

「決断の質」を高めるために「考える」は必要です。しかし「決断する」という目標が不明確なままでの思考はあまり意味がありません。「決断する」癖を付かないままの状態で「考え方」を教えても効果が薄いと思っています。

前にも書いたことがありますが、子どもたちはいずれ大人になり、「決断」をしなければならない場面がたくさん訪れます。その時に「決められる人」になって欲しいと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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