昨秋の東海大会準決勝でいなべ総合学園に1-2で惜敗。
三重県大会では勝っていた相手に悔しい敗戦を喫した海星高校野球部に迫る。
「精神的に強く、タフなチームへ」
拮抗した試合で自分たちが犯したミス
「いなべ総合には、昨年も秋・春・夏すべての大会で敗れており、三重県では一番負けたくない相手でしたね。試合展開は押し気味だったのですが、終盤のスクイズ失敗や8回の先頭打者に与えたフォアボールなど、攻守ともにここぞというときにミスが出てしまった。精神的なタフさが足りないなと感じましたね」と語るのは海星高校を指揮する森下晃理監督。いなべ総合とは三重県大会準決勝でも戦っており、そのときは5ー4で勝っていた。
「一度勝っている相手だけに、自信を持っていました。だからこそ悔しいですね」。
センバツ出場を逃したこともあるが、同県同士の対戦、ましてや一度勝っている相手に敗戦を喫したことが、悔しさをより一層強くしていた。
「何よりもウチは揺るぎない自信に欠けている」と森下監督が指摘する精神面を克服するため、いまは試合前にベンチ裏でメンタルトレーニングを行い、感情を高ぶらせ、涙を流してから試合に向かう。
ここ一番の試合で心のコントロールができたとき、海星高校は18年ぶりの甲子園へ近づけるだろう。
夏に勝つために!強化した練習法
ここぞというときのミスで敗戦したいなべ総合戦。夏への課題を見極め、
選手たちはひたむきに練習を行い、リベンジのときを待っている。
1 精神力向上へ
メンタルトレーニング
海星高校はメンタルトレーニングを行い、日々の練習から成功のイメージを植え付けさせるようにしている。その結果、厳しい練習にも前向きに取り組めるし、集中力を発揮して打ち込むことができるのだ。いなべ総合戦の試合で目立ったミスを克服するべく、選手たちは自主的に練習をしている。
「チームの雰囲気が変わってきたのを実感している。自分たちから声を出すようになってきた。例年より気持ちの強さが感じられる。これを生かして、最後まで諦めず粘り強く戦いたい」と森下監督は話し、精神力強化の効果を実感している。
2 打力向上
個々のレベルアップ
チームではメンタルトレーニングを主に強化してきたが、その他にも個々でレベルアップを図り、今冬の練習に励んでいる。いなべ総合戦では、わずか1得点しか奪えなかったこともあり、打力強化に余念がない。
主将を務める坂井慎平、一番の犬飼康太郎、四番の二神友哉など、長打力の向上のためロングティーをはじめ、徹底的にバットを振り込ませている。
また、エースの長田悠吾は、打者を想定した投球練習をしており、昨秋の大会で決め球に苦しんだ投球を改善しようとしている。
School Data
海星高校(三重県)
●監督/森下晃理 ●部長/高田篤
●部員数/3年生23人、2年生35人、マネージャー1人
1945年に学校創立。センバツ2回、選手権11回出場を誇り、
春夏合わせて計3回ベスト8入りを果たしている名門校。
秋季三重県大会優勝。