トレーニング

肘はいつ、どのような形で下がってはいけないのか?

2014.12.29

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


 ボールを投げる際に肘が下がってはいけない、ということは皆さんご存知だと思います。でも具体的にいつ、どのように下がってはいけないのかを説明することはできますか?

 両肩を結んだ直線を、肩線分と呼びます。この肩線分の延長線上よりも肘が低ければ下がっていることになり、高ければ上がり過ぎているということになります。ちなみに肘は肩線分よりも低いことはもちろん、高過ぎても良くありません。

 タイミング的には、トップポジションからボールリリースにかけて肘が肩線分の延長線上にあるのが良い形となります。テイクバックからトップポジションにかけては、比較的早く肘が肩線分に入る選手もいれば、トップポジションでようやく入ってくる選手もいます。これはピッチングモーション(動作)ではなく、ピッチングフォーム(見た目)の問題なので、どちらでも大丈夫です。

 肘が下がっていたり、上がり過ぎている選手は少なくないと思います。しかし指導者として絶対に気をつけなければいけないのは、肘が下がっている選手に対し「肘を上げろ」と言ってはいけない、ということです。このように言ってしまうと、今度は肘だけを高く上げるようになり、今度は肩線分よりも上に肘が行きやすくなるのです。

 肘が下がっている選手に対する指導法としては、まずトップポジションを正しい形で作れるようにアドバイスしてあげてください。そしてもう一つ、腕をリラックスさせた状態で、下半身をボール1個分低くするようにとアドバイスしてあげると、肘が良い高さに入りやすくなります。

 肘が下がっている選手の多くは腕に力が入っていたり、ボールを強く握り過ぎています。そういう選手に対しては柔らかいゴムボールを持たせ、その柔らかいボールを潰さないような力加減で投げる癖をつけさせてあげると、力みのない投球動作になりやすく、肘が下がる形も改善しやすくなります。



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