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スナップスローを正しく説明することはできますか?

2014.12.30

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


 このページをご覧の皆さんは、スナップスローを正しく説明することはできますか?日本の野球指導現場では、スナップスローというものが勘違いされていることも多いようですので、ぜひ正しい知識を身につけた上で、子どもたちの指導に当たっていただきたいと思います。

 スナップスローとは手首を使ってピュッと素早く投げる動作、と勘違いされている方が少なくないのではないでしょうか。しかし投球・送球動作に於いて、手首を伸展・屈曲させてしまうと投げるボールの質は低下してしまいます。ボールを投げる際は、リリースし終えるまで手首は真っ直ぐ立てておくことが大切です。

 スナップスローの対義語は、フルアームスローです。フルアームスローとは投手や外野手のように、テイクバック動作を加えてボールを投げる動作のことです。そしてスナップスローとはテイクバックはせず、捕球後すぐにトップポジションに持って行って投げる動作のことです。スナップスローとは決して、手首を使ってピュッと素早く投げる動作のことではないのです。

 捕手や内野手の場合は、多くのケースでスナップスローによって投げていると思います。ボールを投げる際、ボールを加速させている最中の腕の速度よりも、当然ですがリリース後のボール速度の方がずっと速くなります。

 例えば捕手が盗塁を刺すために二塁に送球する際、フルアームスローで自身最速のボールを投げた時よりも、スナップスローによってより早くボールをリリースした時の方が、ボールが二塁に到達する時間は短くなるのです。

 中にはどうしても手首の伸展・屈曲を修正できない選手もいます。そのような場合は、包帯やテーピングなどで手首を固定して投げる練習を繰り返すと改善方向に向かいやすくなります。手首を使うことで高低のコントロールが定まっていない選手には有効な練習法となりますので、ぜひ試してみてください。



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