◆鈴木、樫村を擁する投手力は全国レベル
昨春選抜ベスト8の実績を持つ常総学院。茨城県大会では昨夏同地区で甲子園に出場した霞ヶ浦との決勝戦に惜しくも2-3で敗北。2位で関東大会出場の切符を得る。
関東大会初戦では今年のドラフト1位候補との呼び声高い投手、藤平尚真擁する横浜(神奈川)との大一番。先制点を取られるも、三番に座った1年生宮里豊汰の一発が中盤に飛び出し、3-1の逆転勝利。
準々決勝の日本航空(山形)戦では昨春に甲子園を経験したエース左腕鈴木昭汰が見事な完封劇。続く、準決勝の桐生第一(群馬)戦では鈴木と同じく、甲子園を経験した右腕樫村雄大が完封の活躍。常総学院自慢の2枚看板が躍動した。
決勝の木更津総合(千葉)戦は延長13回におよぶ壮絶な一戦。最後は力尽き、7-8で敗戦するも関東大会準優勝の称号、すなわち選抜当確を得た。
◆1年生スラッガー宮里、全国デビューへ
早稲田実業(東京)の“怪物”清宮幸太郎と同世代であり、関東大会ではスケールの大きさを示した宮里。関東大会決勝戦でも四番にどっしりと座り、1回戦に続き、またも衝撃の一発を放つ。敗れはしたものの、4打点、4四球の活躍。全国から警戒される存在へと成長していている。
エース鈴木はピッチング以外にも、チームをまとめる主将を務め、なおかつバッティングでも存在感を放つ。U-18にも選出された先輩二塁手宇草孔基(法政大学へ進学予定)の後継者を務める有村恒太も走力のある好打者だ。
◆甲子園の地で「マジック」なるか
名将木内幸男監督から2011年にバトンを受け継いだ佐々木力監督。100人を超えるチームをひとつにまとめ上げ「木内マジック」の後継者として、緻密な野球を展開する。甲子園の大舞台で前監督が輝いたように、佐々木監督がどのようなタクトを振うのか注目だ。
昨春のベスト8超えはもちろん、2001年以来となる選抜優勝に向け、茨城の名門は虎視眈々と牙を磨く。