トレーニング

腕の力を抜いて投げさせるためのアドバイス方法

2015.1.16

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


 「もっと腕の力を抜いて投げなさい」というアドバイスを子どもたちに送っていませんか?でも考えてみてください。もしあなたなら、そのアドバイスだけで腕の力を抜いて投げられるようになりますか? きっと難しいと思います。もちろん「腕の力を抜いて投げなさい」と刷り込んでいく作業は指導する上では大切なのですが、しかしその前にまずは、具体的な力の抜き方を指導してあげる必要があるのです。

 ということで一つ実験をしてみましょう。まずは手でグーを作って、まるで怒りに燃えているかのようにそれを強く握ってみてください。その状態のままで前腕、もしくは上腕の力を抜いてみてください。どうですか?抜けませんよね?

 では今度は上腕二頭筋でカッチカチの力こぶを作ってみてください。そしてその状態のまま、手部の力を抜いてみてください。今度は先ほどとは異なり、力を抜くことができたのではないでしょうか?つまりそういうことなのです。

 人間の身体は、末端に力が入ってしまうとその手前の部位で力を抜けなくなってしまいます。ボールを強く握ってしまうと、それだけで腕全体が力を抜けない状態になってしまうのです。腕をリラックスした状態で振っていくためには、まずボールをソフトに優しく握るところから始める必要があるのです。

 「もっと腕の力を抜いて投げなさい」と言う前に、まずは「ボールは生卵を持つように優しく握りなさい」とアドバイスしてあげてください。これだけで腕の力を抜いて投げられるようになる選手も多いはずです。



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