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【少年野球指導者のひとり言】投手の「こだわり」を形成する

2016.2.19
うちのチームにひとり、左腕投手が居ます。その子は小柄で体力がないため、下半身が十分に使えません。そのため長くボールを持つことが出来ず、結果として右打者の外側にボールが抜けることが多いという傾向があります。しかし日々の投球練習で目的を持たず、小手先だけでコントロールしようとしていました。

そのため彼には以下の課題を課しました。

①投球練習は50球。すべて右打者内角ストレートだけ。
②抜け球が直らない限り次のステップには進めない。
③球持ちを良くするためにも下半身を強化。

まだ彼はこの課題をクリアしていません。左腕投手にとっては「右打者内角低め」というのは一番長く球を持ち、最もいいボールを投げられる確率が高いコースです。ここにきちんと投げられてこそ、外角ストレート、変化球など難易度を上げていくことが出来ます。左腕投手としてはクリアしなければならない課題です。

余計なことを排除し、「今、最優先でクリアしなければならない課題」に集中できる環境を創ることは指導者の役目だと思います。この課題をクリアして、次に変化球を投げた時、自分の球持ちが改善されていることと、今までにない変化球の曲がりを実感するはずです。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  


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